穏やかな気候と豊かな自然を誇り留学や旅行先として人気のオーストラリアは、多くの日本人にとって働き先としても憧れの地となっています。しかし海外で働くことは「よし、じゃあ明日から働こう!」というような簡単な話ではありません。
事前に準備しておくべきこと、知っておくべきことがたくさんあります。そこで今回は「オーストラリアで働く際に知っておくべき11のこと」についてまとめました。オーストラリアで働くことを考えている方、いつかは働きたいという夢を持っている方は是非参考にしてみてください。
目次
①オーストラリアで働く方法は4つ
オーストラリアで働くには、基本的には以下の4つの方法があります。
1.現地の企業で現地採用される
現地採用では、現地のオーストラリア人に勝るものがあると判断されなくてはならないため、語学力やスキルにおいて高いハードルが求められます。
また近年ではオーストラリア人の失業率が高くなっていることから外国人向けの現地採用の求人数が減ってきているため、何の当てもない状態で現地企業に採用されるのはなかなか高い壁であると言えるでしょう。
事前に日本で相手の会社とコンタクトを取るなど、渡航前から入念な準備が必要となります。
2.日本の企業に就職して駐在する
日本で企業に就職して、駐在員としてオーストラリアに行く方法もあります。しかし駐在員として選ばれること、行き先がオーストラリアであることなど、自分で決定できるわけではないことも多くあり、運や可能性に賭ける部分が大きいのも事実です。
また、実現するまでの期間も読めません。「確実にすぐにオーストラリアで働きたい!」という人は自ら現地に赴く方法を取った方がいいかもしれません。
3.ワーキングホリデーで就職する
18歳~30歳であればワーキングホリデー制度を利用することができます。ワーキングホリデーとは、制度を結ぶ2国間の協定に基づき、相手国の文化や生活を理解することを目的とした滞在中に一定の就労をすることを認める特別な制度のことです。
勉強・仕事・趣味・旅行など自分の目的に合わせて時間を使うことができます。ワーキングホリデービザを取得するまでのハードルも比較的緩いため、多くの人がこの制度を利用して海外渡航・海外就職を果たしています。
オーストラリアでは最大3年間ワーキングホリデーで滞在することができます。詳細は以下でご説明しておりますのでご覧ください。
4.留学して就職する
オーストラリアでは勉強を目的とした学生ビザで渡航した場合でも、週20時間まで現地で就労することができます。(授業がない期間は時間の制約なく働くことができます。)
ただし、20時間以上労働したことが発覚した場合はビザが無効になるため、あくまで勉強が第一目的の人のための方法と言えます。
②オーストラリアでの雇用形態は3つ
オーストラリアで働く場合の雇用体系は大きく分けて3つに分類されます。 稼ぎたい額、生活スタイル、習得したいものなどを考慮して、自分にぴったりの形態を見つけましょう。
フルタイム
フルタイム(正社員)は週38時間以上の勤務が保障されており、基本労働時間は月曜日から金曜日までの週5日が一般的です。
期限付きで雇用される有期契約(Fixed Term)と、無期限契約(Permanent)の2種類があります。いずれも有給休暇が年に4週間、個人休暇(病気休暇)が年10日、法律で保障されています。
パートタイム
パートタイムは週38時間未満の勤務となります。週2日以上の勤務で勤務時間は1日7時間ほどといったイメージです。
1日の最低勤務時間は3時間以上と決められおり、仕事の時間が3時間未満の場合でも3時間分の給料が支払われます。
有給休暇や個人休暇は、勤務時間数に応じて日割り計算で付与されます。フルタイムと同様38時間以上働いた場合は、フルタイムと同様に有給休暇・個人休暇が与えられます。
カジュアル
カジュアルワークは日本のアルバイトのようなもので、それぞれの雇用形態によって賃金、有給休暇などが異なります。最低勤務時間数の保障や、有給休暇や病気休暇の付与はありません。
また、雇用契約が解消される場合は、事前通知を必要としません。 安定した収入が保障されていないことから、カジュアルスタッフの最低時給はフルタイムやパートタイムよりも25%高く設定されています。
オーストラリアでワーキングホリデーした場合には、基本的にはこのカジュアルで雇用されることになります。
③オーストラリアで働く場合のビザは?
学生ビザ・ワーキングホリデービザ・就労ビザを持っていれば現地で働くことができます。
学生ビザ保持者は労働許可書を取得すれば週20時間まで就労が認められており、ワーキングホリデービザ・就労ビザ・市民権・永住権保持者はフルタイムで就労する事ができます。
ワーキングホリデービザの場合、同一の雇用主の元では最長6ヶ月までしか働くことが出来ないという制限があることは覚えておきましょう。(労働時間の制限はありません。)
また、就労ビザを取得するにはスポンサーとなる企業を見つける必要がありますが、企業として「最低賃金53900ドルの支払い能力があること」「長期的かつ定期的な研修プランの計画と実行があること」「査定費用を負担すること」といった条件が課されます。
こういったお金やサポートを捻出しても欲しいと思われる人材でなければ、なかなか就労ビザの取得は難しいでしょう。最近ではオーストラリア人の失業率が高くなっていることから、国民の雇用を守るために外国人の就労ビザの取得が厳しくなっているとも言われています。
そのため、ワーキングホリデービザや学生ビザなどを取得して渡航する人が多いようです。 なお、観光ビザで入国した場合は一切就労することはできませんのでご注意ください。
④オーストラリアで仕事を探す方法は?
いざオーストラリアで働くことが決まったら、どのようにして求人を見つければいいのでしょうか? ここでは求人の見つけ方について説明していきます。
新聞・インターネット
大都市の求人情報は新聞、インターネット上で見つける事ができます。日本人向けの日本語サイトもあるため、英語力に不安がある人でも安心して仕事探しができます。ただし日本語サイトで募集している求人は、日本食レストラン・美容師・ファーム・留学エージェント・販売員などがほとんどなので、他のジャンルで働きたいと考えている人はローカルの求人サイトもチェックしてみましょう。
また、日本人が職を得やすい日本食レストランやお土産屋さんなどの求人情報は、日本人コミュニティのWEBサイトからも見つける事ができます。日本人コミュニティサイトには求人や賃貸の情報など生活に必要となる投稿がされることも多いため、普段からチェックしておくといいでしょう。
以下のJams.TVではオーストラリア全土の求人情報などが掲載されています。
飛び込みで応募
オーストラリアではレストランやカフェなどのお店に直接レジュメを持って行き自分を売り込むという応募方法もごく一般的です。何十枚・何百枚と自分のレジュメを持って気になるお店に飛び込み、「求人募集していますか?」と聞いて回る地道な作業ですが、求人に空きがあれば面接の連絡がきます。
この方法で仕事を得た人も少なくないので、英語の実力を試す意味も兼ねて挑戦してみてもいいかもしれません。ただ中には「200枚配ってやっと仕事を得ることができた」という例もありますので、たとえ上手くいかなくてもめげない気持ちを持つことが重要です。
友人や知人からの紹介
留学生仲間やワーホリ仲間などまわりの人が働いている場所で欠員が出たとか、「帰国する人がいるからあそこに空きがでる」という情報が回ってくるなど、友人や知人の紹介で仕事を見つけられることも少なくありません。
特に日本人同士であれば日本人を積極的に採用しているお店の求人も見つけやすいので、職探しには横のつながりも重要になってきます。
普段からまわりに「仕事を探している」「いい仕事知ってる?」などと仕事を探しているアピールをしておくと不意にいい情報が入ってくるかもしれません。
人材エージェントを利用する
シドニーなどの大都市には人材紹介や人材派遣の会社が多いため、自分で探すよりも効率的に探すことができます。英語力に不安がある、時間がない、安心できる企業やお店で働きたいという人はエージェントを利用して仕事を探すのもひとつの方法です。
数多くの人材紹介エージェントがありますが、「登録料・転職サポートにお金がかかる」「日本人スタッフがいない」「登録作業に手間がかかる」エージェントはトラブルの声も多く聞かれるため、なるべく日本人スタッフが在籍していて無料のエージェントを選ぶといいでしょう。
⑤履歴書にはどのような内容を書けばいい?
仕事を獲得するために必要な履歴書(RESUME)ですが、当然英語の履歴書も必要になってきます。英語の履歴書は、日本の履歴書の様に書き方が決まっていない分、ご自身で作成するのは難しいと思われます。
特に学歴や職歴を書き連ねるだけの日本の履歴書のようなことを書いても誰も興味を持ってくれません。「今までどんなことをしてきたのか?」「自分にどんなことができるのか?」「これからどんな仕事をしたいと思っているのか?」「なにをするのが得意・好きなのか?」など、自分の特長や情熱、想いなどをきちんとアピールする必要があります。
日本には謙遜の文化があり自分を過大評価することを避ける傾向にありますが、海外で職を探す場合は「これでもか」というくらい自分の魅力を全面にアピールしていきましょう。
「レジュメをどのように書いたらいいのか分からない」「この内容で大丈夫かチェックしてほしい」と不安に思っている方は、弊社では無料で履歴書作成をお手伝いさせて頂きますので、渡航前または現地にすでにいる方でも履歴書の作成の仕方について担当カウンセラーにご相談下さいませ。
⑥オーストラリアの給料事情は?
オーストラリアは世界一最低賃金の高い国であると言われています。フルタイムの場合の平均年収は最も高い州で日本円でおよそ870万円、一番低い州でも660万円弱と、日本の平均年収440万円に比べるとかなり高い水準であることが分かります。
その一方でオーストラリアは物価が世界一高いと言われる国でもあるため、給料が高くないと生活ができないというのが現状です。現在オーストラリア政府が定めている最低賃金は、フルタイム・パートタイムで時給1,500円、カジュアルは25%上乗せの1,850円程となっています。
さらに、土曜に出勤した場合の時給は1.25倍、日曜は夜8時まで1.5倍、8時以降は1.75倍、祝日は2倍にまで上がります。
また、アルバイトの時給は職種や会社の体質によって大きく違ってきます。英語力が鍵になってくるお仕事も多いため、時給の高い仕事に就くには英語力が必須となります。
⑦オーストラリアでの税金について
オーストラリアで働く場合は、タックスファイルナンバー(Tax File Number)が必要です。仕事をする前には、必ず取得しておいてください。これがないと給料の振り込みをしてもらうことができません。
タックスファイルナンバーは、オーストラリアの税務署(ATO : Australia Taxation Office)のホームページで手続きできます。手続き後28日以内に郵送でTax File Numberの記載されたシートが送られてきます。(この送付先は渡航後の住所になります。)
シートが届く前でも手続きさえすれば働く事ができます。タックスファイルナンバーの手続きについては弊社がサポートを行いますので、ご安心ください。
⑧オーストラリアの働き方の特徴は?
オーストラリアは何よりワークライフバランスを大切にする国です。始業も終業も定時ぴったりで、残業をすることはまずありません。日本人のような「顧客第一」「頑張っている人が偉い」というような価値観はなく、実力がものを言う完全実力主義の社会です。
日本の会社で働いた経験のある人や、日本のサービスに慣れている人からすると、「もっとちゃんとやろうよ…」「そんな対応していいの!?」「なんでやらないの?」と驚いたりストレスに感じることも多々あるでしょう。
しかし、頑張ることが美徳である日本に比べオーストラリアでは仕事は楽しんでやることで自分の人生を豊かにするものという考えがあるため、自分のペースであくまでできることだけする無理をしないスタイルが基本なのです。
自国との文化や価値観の違いを受け入れ、オーストラリア流の働き方を身に着けることがオーストラリアでストレスなく働くための秘訣と言えるでしょう。
⑨オーストラリアで働くにはどんな仕事がある?
やはり日本企業を相手に仕事をしていたり、日本人のお客さんが多いお店は日本人を積極的に採用しています。
日本人が最も職を得やすいのは日本食レストランのスタッフ。日本食ブームのおかげでどこの地域にも日本食レストランがあるため、募集も多く出ています。また、働いているスタッフにも日本人が多いため、日本人の知り合いができる安心感もあります。
一方で英語レベルが高くなくても就けるため希望者が多く、「安くてもいいからとにかく働きたい」という留学生やワーホリ生の心理に付け込んで最低賃金が守られていないというお店があるのも現実です。
日本食レストランに限った話ではありませんが、働く前には「信用できるお店であるか?」「労働条件が明白にされているか?」「悪い噂を聞かないか?」など、事前にきちんとリサーチすることが大切となります。
その他にも、お土産屋さん・留学エージェント・旅行会社・日本人向けフリーペーパーの編集・ファーム・飲食店・マッサージ店などは日本人が仕事を見つけやすいと言われている職種です。
⑩オーストラリアで働くのに使える資格は?
ネイリスト・美容師・整体師・調理師・スポーツインストラクター・看護師・日本語教師・会計士などの手に職系の資格を持っていると、海外での就職にも大いに役立ちます。
言葉の壁はあれど、基礎的な知識を持っていれば何も分からない初心者に比べて仕事を獲得できる可能性は大幅に広がります。また、留学やワーホリをしながら現地で取得できるバリスタやバーテンダーの資格などもあるため、滞在中に資格取得の勉強をするのも有効でしょう。
⑪オーストラリアで海外就職を成功させるには?
ワーキングホリデーや海外就職の人気が高まっている今、多くの人が仕事を求めて海外に飛び出しています。
しかし「いざ海外に行ったものの仕事が見つからない」「毎日なんとなく過ごしているだけ」「お金が厳しくて日々の生活がやっと」「楽しいけど何を学んだかと言われると分からない」という厳しい現実に直面する人も少なくありません。
せっかくお金と時間を使って海外に行ったのに、そんな時間を過ごしていてはもったいないですよね。自信を持って「来てよかった」「最高の学びを得た」と言えるための秘訣はただひとつ。
“はっきりとした目的を持つこと”です。ただ「楽しそうだから」とか「今の日本の生活が嫌だから」という曖昧な理由では海外就職を成功させるのは難しいでしょう。
なぜオーストラリアで働きたいのか?なにを得たいのか?を明確にしたうえで、積極的にチャレンジしていきましょう!
まとめ
オーストラリアでの働く際に知っておくべき11のことをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
働く方法は4つありますが、やはり身近なのはワーキングホリデービザと学生ビザでの渡航です。
ラララオーストラリアではビザの取得代行も無料で行っておりますので、オーストラリアでの就労に興味がある方はぜひお問い合わせください。