ケンブリッジ英語検定とは、イギリスの名門校ケンブリッジ大学が統括している世界で最も広く認知された、英語を母国語としない人のための英語検定です。イギリス、オーストラリア、カナダをはじめ多くの国の教育機関や企業、政府機関などで認められており、進学目的だけではなく就職やビザの申請など、様々な目的で受験することができます。日本での知名度はあまり高くありませんが、世界130カ国以上で実施され年間の受験者は約500万人にものぼります。また、TOEICやIELTSのように有効期限がなく、生涯にわたって英語力を証明できる試験です。
目次
ケンブリッジ英検のレベル
ケンブリッジ英語検定は、基礎から最上級まで4つのレベルに分かれおり、就職の際などに英語力が身に着いていると判断されるのはFCEレベル以上と言われています。
PET :ピーイーティー(Preliminary English Test)
初級レベル。英検3~準2級/TOEIC 350~500程度。
⇒英語圏での日常生活が送れるレベルの英語力。就職時にはあまり有効と言えない。語学学校でも開講している学校は少ない。
FCE :エフシーイー(First Certificate in English)
中級レベル。英検準1級/TOEIC800~900程度。
⇒英語を使って仕事や進学などができるレベルの英語力。就職で面接時に有効のレベルです!
CAE :シーエーイー(Certificate in Advanced English)
上級レベル。英検1級/TOEIC 900~950程度。
⇒英語を駆使してプロフェッショナルとして働ける英語力。多くの大学や大学院入学での際の英語証明書としても有効。 英語力としては即戦力になり得るとみなされるぐらいの英語力レベルの高さ。
CPE (Certificate of Proficiency in English)
最上級レベル。英検1級以上/TOEIC 950点以上程度。
⇒ネイティブレベルの英語力があるかを判定。就職の際には、ほぼ英語力がネイティブとしてみなされる!
ケンブリッジ英検の試験内容
試験内容はレベルによって異なりますが、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング、ユースオブイングリッシュの5つのパートがあります。英語の知識量を測る試験ではなく、英語の知識を使いこなす能力を判定する試験と言われ、広範囲に深く英語を学ぶため試験対策期間は長くなります。また、試験結果に関してはTOEICやIELTSとは違い、合否で結果が出され、A~Eの評価の5段階の中で、A,B,Cは合格、D,Eは不合格となっています。
POINT
- 試験は1日で全て実施!
- 試験内容は5種類!
- スコア評価は5段階!
(例)FCEの場合
リーディング
小説や新聞記事などより抜粋された長文が出題される。
ライティング
120~180字程度の文字制限があり、手紙や記事、レポートなどの文章能力を見られる。
リスニング
インタビューや討論、講義に会話などから全30問の質問が出題される。
スピーキング
ケンブリッジ独特の試験内容で、受験者2名、試験官2名で、出されたお題に対して受験者同士で会話をし、話を展開していく。
ユースオブイングリッシュ
ボキャブラリーや文法、誤文訂正問題など全65問が出題される。
ケンブリッジ試験対策コース
語学学校ではケンブリッジ試験対策コースを設けている学校があります。コース期間は10週間から12週間程度で、レベルにもよりますが、入学にはUpper Intermediate【中上級】以上の高い英語力が必要になってくる場合が多いです。授業内容は試験内容の各パートをしっかり学ぶとともに、ボキャブラリーも徹底強化します。模擬試験を幾度となく行うことでタイムマネージメント力を身に着け、授業で教わった試験のテクニックなどを実践していきます。また、元もしくは現役の試験官がいる学校では、本番さながらのスピーキング模擬テストが受けられる学校もございます。
POINT
- コース期間は大体10週から12週!
- 英語力の入学条件は中上級以上!
- 模擬試験を実施している学校や現役試験官が在籍している学校もある!
ほかの英語力検定との違い
英語力を測るテストは世の中にいくつもあります。日本では英検やTOEIC、TOEFLなどが知られています。オーストラリアをはじめ英語圏では、IELTS(アイエルツ)もスタンダードなものと認知されています。
これらの検定と、ケンブリッジ検定試験の違いを見ていきましょう。
ケンブリッジ検定試験
正式名称はケンブリッジ大学英語検定試験といいます。イギリスの名門大学・ケンブリッジ大学で1858年からスタートした、英語のノンネイティブを対象とした英語能力テストです。世界で一番知名度の高い英語資格といわれています。
有効期限が存在しないので、一度取得すれば一生涯使える点が大きな特徴です。IELTSやTOEICには有効期限があるので、定期的に試験を受け直す必要があります。
IELTS
オーストラリア、イギリス、アメリカを中心に、教育機関・国際機関が採用する英語運用能力テストです。リスニング、スピーキング、ライティング、リーディングの4つのカテゴリーで構成され、記述式の筆記テストと、面接でのスピーキングテストが行われます。
日本では馴染みのないIELTSですが、英語圏の大学などへの留学時に、英語力を証明するものとして扱われる国際的な資格です。
TOEIC
近年では英検よりもメジャーな存在となっているTOEICは、もともとアメリカのテスト機関が開発した英語のコミュニケーション能力テストです。世界150カ国で実施されており、世界共通の英語力試験といえます。日本でも、英語のテストといえばTOEIC、となりつつあります。
TOEICは、とくに日本国内でのビジネスシーンでの英語力証明に非常に役立ちます。就職活動では多くの企業がTOEICのスコアを求めていますし、社内での昇進・昇格条件にTOEICを設定している場合もあります。
英検
「実用英語技能検定」が正式名称の、日本国内でもっとも有名な英語試験の1つです。最近ではTOEICの存在感が増していますが、英検もまだまだ国内での認知度が高く、英語力を証明する有効なツールといえます。
ただし、あくまでも日本国内でのみ認知された資格ですので、海外留学や国際就職、また国内でも外資系企業への就職時などにはあまり有効とはいえないので注意が必要です。
TOEFL
Test Of English as a Foreign Languageの略であるTOEFLは、主に海外留学のための英語試験です。オーストラリア、アメリカ、イギリスといった英語圏の大学・専門学校への入学基準として使われることが多い資格でもあります。
よくTOEICと比べられるTOEFLですが、ビジネス英語の色合いが強いTOEICに対して、TOEFLはアカデミックな要素が強くなっています。そのため、就職目的ではなく、あくまでも海外の大学などへの入学を目的とした人が目指す試験といえます。
ケンブリッジ検定を取得するメリット
では、数ある英語資格の中で、ケンブリッジ検定を取得することのメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
メリット1.海外進学に役立つ
世界で1番有名な英語検定として知られるケンブリッジ検定は、海外の大学や専門学校への入学時に英語力を証明する強力な武器になります。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどでの認知がメインのIELTSに比べて、より世界的に知られている点も大きなメリットです。
メリット2.海外就職に役立つ
ケンブリッジ検定を保有していることは、海外企業への就職時にも立派な英語力の証明となります。TOEFLなど、資格によってはあくまで大学・専門学校といった教育機関向けのものもありますが、ケンブリッジ検定試験は進学にも就職にも強い資格なのです。
メリット3.日本でも知名度が上がっている
さらに嬉しいことに、ケンブリッジ検定は日本国内での認知度も高まってきています。例えば、国内大学の国際学部コースを受ける際にケンブリッジ検定が必要という大学も増えています。
また、外資系企業などは、TOEICや英検より、世界的に広く認められたケンブリッジ検定を重視するでしょうから、国内での就職時にも役立つ可能性が高いといえます。
ケンブリッジ検定試験を受けるメリット
次に、ケンブリッジ検定試験を受験するメリットにもついても触れておきましょう。国際的な資格のため、簡単なテストではありませんが、試験に向けて学ぶ中で得るものもたくさんあるはずです。
メリット1.日常で必要とされる英語力が身につく
ケンブリッジ検定は、他の英語資格と比べてバランスが優れています。例えばTOEICであればビジネス英語の要素が強く、TOEFLやIELTSであれば教育機関向けのアカデミックな内容となっています。
一方のケンブリッジ検定は、日常生活で使われる英語にフォーカスしている点が特徴です。そのため、ケンブリッジ検定の勉強によって、より広いシーンで使える生きた英語を学ぶことができます。
メリット2.英語を学ぶモチベーションが高まる
独学においても留学においても、英語の勉強は決して楽なものではありません。成果が出るまでに長い時間がかかりますし、リーディングやリスニングからスピーキング、ライティングまで幅広く学ぶ必要があるため、モチベーションを維持するのもひと苦労でしょう。
そのため、英語の勉強に際しては「学ぶ目的」の設定がとても大切です。ケンブリッジ検定というゴールを据えることで、勉強に向かうモチベーションが保ちやすくなるのではないでしょうか。
メリット3.勉強生活にメリハリが出る
2と少し似ていますが、検定受験という目標を目指すことで、日々の生活にメリハリを持たせることが期待できるでしょう。とくに、勉強と並行してアルバイトをしたり、語学留学をしていて観光や遊びにも関心があるという方は、試験に向けたスケジュールをしっかり敷いておくことで、忙しい中でも勉強のための時間を安定して取ることができると思います。
ケンブリッジ検定の勉強は留学が効率的
では、「ケンブリッジ検定を受けるぞ!」とやる気になったら、具体的にどんな風に勉強すればいいのでしょうか?
おすすめは、海外留学です。オーストラリアでも、ケンブリッジ検定対策コースを用意している語学学校が多数あります。ケンブリッジ検定に特化した対策コースですので、最適な教材・専門的なノウハウを持った講師陣・定期的な実力テストなど、勉強に集中できる環境が整っています。留学して海外生活を送ることで、よりリアルで生きた英語コミュニケーションも身につけることができます。
また、ケンブリッジ検定対策コースに集まるクラスメイトは、いずれもモチベーションが高く勉強熱心な学生のはず。そうした仲間と一緒に勉強することで、一人で学ぶよりもがんばれるのではないでしょうか。
ケンブリッジ検定は日本で受験することもできる
「国内で勉強し、国内で受験したい!」という方のための補足ですが、ケンブリッジ検定試験は、世界130カ国に3,000近く存在する試験センターで受けることが可能です。
ですので、日本で受験することもできます。試験センターは関東・関西・北海道など各エリアにそれぞれ設置されていますので、興味のある方はケンブリッジ検定試験の公式サイトなどで確認してみることをおすすめします。
個人で受験する場合に注意したいこと
語学学校の対策コースに通わずに個人でケンブリッジ検定を受験する場合、試験会場も自分で手配する必要があります。その際に注意したいのは、試験会場には「オープンセンター」と「インターナルセンター」の2つがあるという点です。
オープンセンターは「公開センター」とも呼ばれ、すべての受験者が制限なく受験できる場所のことです。一方のインターナルセンターは「非公開センター」であり、ケンブリッジ検定の対策コースを語学学校で受講している人だけが利用できるものです。語学学校の対策コースに通わない方は、この点に留意しておく必要があります。
ケンブリッジ検定当日の持ち物
試験当日に必要な持ち物についても、念のため触れておきましょう。
- 受験票
- 身分証明書(パスポート、免許証、学生証など)
- 筆記用具(鉛筆類・ボールペン)
特徴的なのは筆記用具で、ボールペンでの回答が必須の問題が存在します。ボールペンと、シャーペン・鉛筆をそれぞれ持参するのが間違いないでしょう。
ケンブリッジ検定の勉強はどれくらいの期間するのか
独学の場合、試験勉強に費やす期間は個人ごとさまざまですので、ここでは海外留学をして勉強するケースを想定してお話しします。オーストラリアの語学学校では、多くの場合、ケンブリッジ検定コースは1月・3月・9月と年間3回ほど開講されます。コースに入学するチャンスが年に3回あるというわけです。それぞれのコースの期間は、基本が12週間となっており、1月開講の場合のみ10週間ということもあるようです。ざっくり3ヶ月程度ということですね。
ケンブリッジ検定の合否判定
ケンブリッジ検定は、TOEICやIELTSのようなスコア判定ではありません。A~Eの5つの評価があり、A・B・Cが合格で、DとEは不合格という基準になっています。
合格発表は、試験日から6週間ほどで見ることができます。基本的にはオンライン上に受験番号を入力してご自身で閲覧をします。見事合格となった場合には、受験から3ヶ月以内に、Certificate(合格証明書)が発行されることになっています。
ケンブリッジ検定にかかる費用
ここでは、ケンブリッジ検定試験に関連したコストにも触れておきます。検定自体の受験料だけでなく、オーストラリアの語学学校に留学した場合の学費や、現地での生活費なども記載してあります。
ケンブリッジ検定料
CPE 360ドル
CAE 350ドル
FCE 350ドル
PET 330ドル
KET 330ドル
語学学校
ケンブリッジ検定対策コース 330~350ドル/週
入学金 200~220ドル
教材費 100~120ドル
生活費
家賃・食費・交通費・雑費 250~300ドル/週
どの学校を選ぶか、住居はホームステイかルームシェアかなどでも変わってきますが、概ねこのような水準になります。他にも、航空チケットやビザ、海外保険、日用品の用意などの費用が見込まれますので注意しましょう。
語学留学中にアルバイトはできるか
留学費用の足しにするために、現地でアルバイトをする留学生も少なくありません。オーストラリアには日本食レストランも多く、英語があまり話せない段階でも仕事内容によってはアルバイトを見つけることはそこまで難しくはないからです。
とはいえ、ケンブリッジ検定の勉強のために留学する場合、アルバイトはあまりおすすめできません。語学学校の検定対策コースは、基本的に3ヶ月程度の短期集中コースです。限られた期間の中で、リスニング・ライティング・スピーキング・リーディングの勉強をまんべんなく行っていきます。そのため、学校での授業はもちろん、それ以外の時間にも予習や復習が欠かせません。そうした時間をアルバイトに充てていては、授業についていくのは簡単ではないでしょう。アルバイトに時間を取られて勉強の能率が下がるようでは本末転倒ですから、できるだけ勉強に集中すべきだといえます。
ケンブリッジ検定を取得した人の進路
厳しい勉強を経て、見事ケンブリッジ検定に合格した人はどんな進路を歩むものなのでしょうか。代表的なものを挙げてみました。
1.現地の大学に進学する
例えば、オーストラリアの語学学校でケンブリッジ検定コースを学んでいた人が、次にオーストラリアの大学へ進むといったケースです。ケンブリッジ検定コースでみっちり勉強すれば、非常に高い英語力が身についていることでしょう。日常生活はもちろん、英語での講義やディスカッションにもある程度対応できる力がついているはずです。
また、ケンブリッジ検定を受けるために語学留学をするほど確固たるビジョンを持つ人は、その後の進路にも明確なイメージを持っていることがほとんどでしょう。そうした方の中には、現地でのさらなる進学を目指す方も少なくないようです。
2.現地の企業に就職する
ケンブリッジ検定に合格することは、日常やビジネスシーンでも通用する高い英語力の証明になりますので、現地での就職にも有利に働くといえます。もちろん、オーストラリアで日本人が正社員の職を得るのは簡単なことではありません。オーストラリアの企業が外国人を正規雇用する場合、就労ビザの後見人になったり、一定基準以上の給与を保証するなど、負担も少なくないからです。
そうした手間のかかる外国人をわざわざ雇用するには、「この人でなければいけない!」と思わせる独自の強みが必要になります。その際、英語でのコミュニケーションが取れるのは武器ではなく最低限の条件となるでしょうから、高い英語力の証明であるケンブリッジ検定は役に立つはずです。
3.日本で就職する
語学留学を終えたら、日本に帰国して日本の企業に就職するという選択肢もポピュラーでしょう。外資系企業はもちろん、日系の企業でも英語力は大きな武器になり得ますので、ケンブリッジ検定は強みになるはずです。
また、オーストラリアという海外の環境で、明確な目標に向かって厳しい受験勉強を乗り越えた体験と自信も、採用する企業からすれば魅力に映るのではないでしょうか。ケンブリッジ検定の試験勉強を通じて培った英語力、大量の課題をこなす対応力、さらに英語でのコミュニケーション能力や、モチベーションを維持する力など、就職活動でも大いに役立つに違いありません。
ケンブリッジ試験対策コースはこんな方に向いています
英語圏への進学をお考えの方はもちろん、ケンブリッジ英語検定対策コースは、試験をキャリアアップに役立てたい方や、生涯にわたる英語力の証明書を習得されたい方にぴったりのコースです。また、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング、文法、語彙といったテストに出されるスキルを万遍なく学ぶため、全体的な英語力を底上げされたい方にもお勧めです。英語の知識をいかに活用するかを測定する試験内容となっているため、日常でのコミュニケーション能力を高めたい人にも向いています。また、文法がTOEICにも似ているのでTOEICのスコアを伸ばしたい人も、こちらのコースの受講を考えてみてください。
POINT
- 英語圏の学校・大学への進学の方!
- 英語力のさらなるスキルアップを目指したい方!
- TOEIC、IELTSの試験対策を目指している方!