オーストラリアに学生ビザで滞在するにはOSHCへの加入が必須となります。「OSHCってなに?」「どうやって手続きしたらいいの?」という方のため、今回はOSHCについて費用や補償内容など詳しく説明していきます。オーストラリア留学を検討中、計画中の方はぜひ参考にしてください。
目次
OSHCとは?
OSHCはOverseas Student Health Coverの略で、海外留学生健康保険のことを指します。コース就学期間に関わらず、学生ビザでの滞在者全員にビザ有効期間中の加入が義務付けられています。
これはオーストラリア国民におけるメディケア(公的健康保険システム)が留学生も同じ条件で受けられるようにと設けられた制度で、滞在中の病気や事故・怪我による治療や入院時に保険適用内であれば費用がカバーされます。
学生ビザを申請する際にビザ期間を全てカバーしている手配証明書(Policy Certificate)を提出することが義務付けられています。通常は留学先の学校がOSHCを手配してくれますので、授業料と一緒にOSHC費用を支払うことで証明書を入手することができます。
OSHCへの加入期間は?
OSHCへの加入は、現地で受講するコースの期間に関係なく、取得する学生ビザの期間中は全てカバーしている必要があります。この条件が満たされていない場合はビザの申請許可が下りません。
通常はコース開始日の1週間前からコース終了日の4~8週間後までが加入期間の目安となります。最大60ヶ月までの加入が可能です。
OSHCへの加入資格は?
オーストラリアに学生ビザで滞在している海外からの留学生であれば誰でも加入する必要があります。また、学生ビザを申請中で現在一時滞在用のビザで滞在しているという場合も同様です。観光ビザやワーキングホリデービザの所有者でも加入できるケースもありますが、基本的には学生ビザ保持者が対象となります。
OSHCにかかる費用は?
OSHCを扱っている保険会社によって多少の料金の違いはありますが、平均して1ヶ月40~50オーストラリアドル、1年で450~550オーストラリアドル程の費用がかかります。海外留学生向けに特別に設定されている保険なので、費用は日本の5分の1ほどと大分低く設定されています。
OSHCの補償内容は?
OSHCは主に以下の項目について補償されます。内容によって全額カバーや一部自己負担などの条件が変わります。
- 病院での診察代・治療費
- 専門医による治療費
- 救急車での輸送費
- レントゲン撮影費
- 病理や放射線などの外来検査費用
- 薬代(1回につき50ドルまで、1年間につき300ドルまで)
OSHCの補償対象外のものは?
以下の場合はOSHCの補償対象外となります。
- 歯科治療
- 眼鏡、コンタクトレンズの作成
- 理学療法
- 整形手術
- レーシック
- 不妊治療
- 精神科のサービス
- 入国後12ヶ月以内の妊娠に関連したサービス
- 入国前からの持病、治療
- 入院時の諸経費
- OSHCが提携していない医療機関でかかった治療費
OSHCにはどうやって加入すればいい?
多くの教育機関は、学校が代行して申し込み手続きを行ってくれます。学校に学費を払う際に合わせて保険代金も支払うのが基本的なスタイルです。
しかしなかには個人で申し込み手続きが必要な場合もありますので、あらかじめOSHCについて学校側にきちんと確認しておきましょう。個人でOSHCに申し込みをする場合は、オーストラリア政府から認められている保険会社5社のいずれかで加入する必要があります。
全て現地の会社なので、手続きはもちろん英語で行います。各保険会社のホームページ上にてオンラインで手続きが可能です。
- ahm OSHC
- BUPA Australia
- Medibank Private
- NIB OSHC
- Allianz Global Assistance(Lysaght Peoplecare)
保険会社によって料金やカバー内容が異なりますので、自分の希望に合うものを選択しましょう。
一般海外旅行保険との違いは?
留学ではなく通常の海外旅行に行く際にも海外旅行保険に加入しますよね。「海外旅行保険じゃだめなの?」「内容が違うの?」「どっちも入るべき?」と違いが分からずに迷ってしまう人も少なくないかもしれません。
まず、OSHCは学生ビザ保持者に関しては取得が義務付けられているため、海外旅行保険のみの申し込みだとビザの承認が下りません。
そのため、前提条件として学生ビザで渡航する際にはOSHCへの加入は必須となります。また、内容についても大きな違いがあります。OSHCはオーストラリアの医療保険なので、あくまで現地での診察や治療についての最低限の補償がされているといったものです。
そのため、死亡時や携行品に関しての補償は一切ありません。実際に、携帯電話などの携行品の盗難や破損は留学中に最も多いトラブルであると言われています。
「死亡補償をかけたい」「携行品保険をかけたい」という方は、OSHCと併せて海外旅行保険にも加入しておきましょう。
海外旅行保険の費用や補償内容が気になる方は、ジェイアイ傷害火災保険のネット保険であるTabihoのホームページを下記よりご覧ください。
Tabiho公式ホームページ
保険費用の請求方法は?
現地で実際に医療機関にかかった場合、保険費用が支払われるまでの流れは以下のようになります。
1.診察を受ける
2.治療費や薬代などの料金を支払い、領収書をもらう
3.保険会社にクレーム
4.保険会社から補償金額が支払われる
3の保険会社にクレームする方法は、オンラインと郵送の2パターンがあります。オンラインでは保険会社の専用ページで振込先の銀行口座情報などを入力し、領収書の原本を保険会社に郵送します。
郵送の場合は、申請書をダウンロード・印刷して必要情報を記入し、領収書とともに郵送します。いずれの場合も必ず領収書の原本が必要となりますので、現地で診察を受けた場合は必ず領収書をもらうのを忘れないようにしてください。
まとめ
オーストラリア留学経験者の間であってもOSHCの存在は意外と認知されていません。多くの場合は留学先の学校が加入手続きをするうえ、現地で病院にかかることもなかったという人が多いため、保険について意識することがないのです。
しかし留学をする以上は個人でOSHC加入手続きをする必要がある場合や、現地で医療機関にかかる可能性もあります。実際にそうなったときに慌てることのないように、最低限の知識は持っておきましょう。
もちろん弊社でもサポートしておりますので、疑問点や不明点などがあればお気軽にご相談ください。