語学学校では怖がらずに積極的に話すことが何より大事
初めての長期留学、初めてのオーストラリアに緊張しつつも、これからの留学生活が楽しみで仕方ありませんでした。最初の8ヶ月は、語学学校で英語を勉強しました。
初日はクラス分けテスト。Listening, Reading, Writing, Speakingの4技能のテストでした。特に苦戦したのがSpeakingテスト。先生はゆっくりと分かりやすい単語を使って質問してくれましたが、慣れない英語と緊張感で、ほとんど何も答えられず、悔しかったことを覚えています。
クラス分けがされ、私は中間レベルのクラスに入りました。学校は週4日の9時から15時まで。
クラスメイトは、日本人、韓国人、中国人などアジア人が多く、その他にサウジアラビア人やベトナム人もいました。まず始めに驚いたことは、クラスメイトはだいたい同じレベルの英語力のはずなのに、日本人以外は流暢に英語を話していたことです。
そこで突然自分の英語力が不安になってしまい、なかなか発言ができませんでした。そして英語ができないという気持ちから、自然と日本人で固まってしまうようになりました。しかし慣れていくうちに、先生の言っていることや他の外国人の英語を落ち着いて聞き取ることができるようになってきました。
そこで気づいたのが、流暢に話していると思いっていたクラスメイトの英語も、間違いだらけだったということです。彼らの英語は文法もぐちゃぐちゃ、発音も上手くはないです。彼らと日本人との大きな違いは、間違いを恐れずに自分の言いたいことをいろんな表現やジェスチャーを使って伝えようとしているということでした。
その頃先生がよく言っていたことが、「たくさん間違えなさい。赤ちゃんは始めから1人で立てるわけじゃないの。」という言葉です。
それから私は、間違うことが怖くなくなりました。日本人とも英語で話すようになりました。
授業は午前中と午後に分けてあります。内容は、電話番号や名前のスペルを聞き取るListeningの授業、日本の学校と同じように文章を読んで質問に答えるreadingの授業、あるお題について250字で自由に書くwritingの授業、週末にあったことをクラスメイトに話したり、紹介したいことについてプレゼンするspeakingの授業があります。
その他にも、ゲームをしたり好きな動画や歌をクラスメイトに紹介したり、クイズに答えたりと毎日楽しい授業ばかりでした。
語学学校のコーヒーブレイクとランチタイム
午前中に一度コーヒーブレイクというものがあります。先生も生徒もカフェテリアへ行ってコーヒーやクッキーを買い、天気の良い日は芝生の上でお喋りを楽しみます。15分の休憩ですが30分ぐらいしないと戻って来ない先生やクラスメイトもいます。そういったのんびりしたところも海外ならではでとても面白かったです。
ランチタイムは30分間。カフェテリアで昼食を買う子もいれば、サンドイッチを作ってきたり、バイトでもらえるまかないを持ってくる子もいます。ランチタイムは他のクラスの先生や生徒との交流も楽しみの1つです。語学学校は入学時期が特に決まっておらず、毎月のようにさまざまな国から留学生が来るため、友達もどんどん増えていきました。
TAFE(専門学校)でホスピタリティを1年間学びました
いよいよ待ちに待った専門学校が始まりました。私の学校はTAFEという職業訓練校で、専攻はDiploma of Hospitality Managementという1年間のコースでした。
このコースでは、主にレストランやホテルで働くためのスキルを学びます。人数は授業によって違います。実技では1クラスに10名ほど、座学になると30名ほどと多いです。語学学校からそのまま同じコースへ行く生徒もいるので、とても馴染みやすかったです。クラスメイトは歳上の方が多かったのですがみんなフレンドリーで、いつも声をかけてくれて困っていることはないか聞いてくれました。
プラクティカルな授業では、お皿の持ち方やテーブルセッティング、お酒の種類や注ぎ方などについて勉強します。他にも、ホテルでの電話対応やベッドメイキングなど幅広く学ぶことができます。
設備がとても良く、実際のレストランやホテルのような環境で勉強することができるところがこの学校の良い点です。
またレストラン実習があり、一般のお客様を相手にオーダーを取ったり、料理のサービングをしたり、カクテルを作って提供したりします。授業で習ったことを活かすことができる週に一度の楽しみです。
座学では、レストランやホテルをマネージする上で知っておかなければならないこと、クレームの対処方法、その他にも経理や勤務表の作り方も勉強します。
語学学校とは比べものにならないほどスピードの早い授業で、さらに内容も専門的で難しく、山のような課題に毎日追われていました。グループでの課題も多いので、足手まといにならないように必死でした。受験勉強よりもたくさん勉強したのではないかと思います。
座学で1番楽しかったのはテイスティングの授業です。さまざまな種類のチョコレートやオリーブオイル、珍しい果物などを試食して、味や風味について説明する授業でした。これはお客さんにメニューについて質問されたときに、きちんと答えられるように色々なものの味を知っておくということが目的です。一つ一つの授業が将来やりたいことに繋がっていたので、大変な事もありましたが、結果的に良かったなと思っています。
ホームステイではホームシックに
はじめの3ヶ月間は2箇所にホームステイをしました。ホームステイの経験はあったものの始めのホームステイ先のホストマザーが少し厳しく、ホームシックになってしまい毎日部屋で1人で泣いていました。携帯電話も使えなかったこともあり、本当に寂しかったです。
初日から1週間は涙がこみ上げてくるせいで食事も喉を通らない状態でしたが、学校に友達も増え、携帯電話も契約し、心の支えができたので落ち着いてホストマザーとも会話ができるようになりました。家族のことや学校のことなどお喋りをしながら夕食をしたり、犬の散歩に行くのがとても楽しかったです。
2件目のホームステイ先はホストマザーがフィリピン人で、料理がとても美味しかったです。また、パーティーが好きなのか、週に一回お友達を呼んで料理を振舞っていました。
ファミリーと一緒にお買い物に行ったり、パーティーで色んな人に出会ったりするのがとても新鮮でした。家族の一員のように暖かく迎え入れてくれて嬉しかったです。
シェアハウスでは様々な国籍のルームメイトと生活して貴重な経験ができました
友達が増えて外食が増えたのとバイトを始めて帰りが遅くなることから、4ヶ月目からは、シェアハウスに住むことにしました。私のいたシドニーには留学生や色んな国から働きに来ている方が多く、シェアハウスがとてもたくさんありました。
安くて交通の便が良い場所がよかったので、インターネットで探して、予約を取っては見学に行っての繰り返しで、10件以上まわって1ヶ月かけて見つけました。オーナーはポーランド人の親切なおじいさんで、よく英語を教えてくれました。
家は大きな一軒家で、10人ほど住んでいました。国籍も性別も年齢もさまざまで、中国人、インド人、イタリア人、ベトナム人など様々な国から色んな人が来ていて、お互いの学校や仕事などについて話すのが楽しかったです。
トイレに行きたくても洗濯機を使いたくても誰かが使っていたり、庭に干していた洗濯物が減っていたり、リビングに置いてあったチョコレートが食べられていたりと、海外のシェアハウスならではの経験もできました。
また、部屋の中に大きな蜘蛛やネズミが出たりという事も当たり前で、日本では考えられないようなことが毎日たくさん起こりました。話のネタになる貴重な経験ができて良かったと思っています。
留学を通して
留学をしたきっかけは、ただ英語が喋れたらかっこいいなという思いからでした。高校生だった頃の私は特にやりたい事もなく、何事も中途半端で、熱中できる事もありませんでした。
この留学生活で得たものは数え切れないほどありますが、強く実感しているのは、視野が広がって色んな考え方ができるようになったことと自分のやりたいことが見つかったということです。
日本にいたらこんなに幅広い年齢の人々と深く関わることなんてなかったかもしれないし、こんなに色んな国籍の人と英語を使って話す事はまずなかったと思います。
海外に行ったら英語が喋れるようになって、英語が喋れるようになったら色んな国の色んな考え方の人と話すことができて、話す人が増えたらより多くのことを知ることができました。そうして人の経験や知識をシェアしてもらうことで、色んなことに興味や関心が持てるようになりました。
本気でやりたいこと、見たい景色、行きたい場所がたくさんあるって本当に楽しいことです。サポートしてくれた親に感謝して、これからも自分の好きなことに貪欲に生きたいです。