
これからオーストラリア留学を考えている方にとって、現地の学校がどのような感じなのかは非常に気になるところですよね。今回は、現地校と日本の学校の違いについて解説します。
どんな人がオーストラリア留学に向いているかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.オーストラリアと日本の「教育制度」の違い
まずは、オーストラリアと日本の教育制度の違いについて解説します。
1-1.小学校・中学校・高校の区分け
オーストラリアでは幼稚園年長をPrepと呼び、その翌年から高校卒業するまでYearと呼びます。
Year1〜Year6 | 小学校 |
Year7〜Year10 | 中学校(セカンダリー) |
Year11〜Year12 | 高校(シニアセカンダリー) |
主な流れは同じですが州ごとに細かな違いがあり、義務教育はYear9またはYear10までです。
1-2.教科
教科は州によって異なりますが、例えばビクトリア州では以下の9つが主要分野です。
・英語
・語学(英語以外)
・科学
・数学
・テクノロジー
・アート
・人文科学
・ビジネス&経済学
・保健体育
それぞれの分野の中に科目が複数あり、例えば科学の中に化学や物理、テクノロジーの中にプロダクトデザイン学やシステムエンジニアリングなどがあります。細かい科目は90以上にわかれており、実力に応じて飛び級も可能です。
1-3.教育方針・授業スタイル
オーストラリアの教育方針は、子どもたちに主体性を学習させることです。自分の得意分野や興味を持っている分野を勉強できるよう、高校に入ると自分でコースを選んで専攻します。
また、日本では先生が生徒に一方的に教えますが、オーストラリアではトピックについて生徒が自分でまとめて発表し、ディスカッションします。主体性を重視しているため、一方通行な授業ではなく双方向のやり取りが生まれるスタイルなのです。
1-4.クラス分け
オーストラリアでは、学校の規模によって1学年に1クラスの場合も複数クラスの場合もあります。移民大国なので英語ができない方のためのサポートも手厚く、EALD(English as an Additional Language or Dialect)というクラスに参加して英語の基礎を学べます。
また、日本人が少ない学校は1クラスに複数の日本人をまとめる方針の学校もあるようです。ただし、本人が自立してクラスメイトにわからないことを質問したり現地の子と交流できるようになったりすると、日本人で固めたクラスから外れることもあります。
2.オーストラリアと日本の「学校生活」の違い

オーストラリアと日本では、学校生活にどのような違いがあるのでしょうか。
2-1.年間スケジュール
オーストラリアは4学期制を導入しています。流れは下記の通りです。
Term1 | 1月下旬から4月上旬 |
秋休み(2週間) | |
Term2 | 4月下旬~6月下旬 |
冬休み(2週間) | |
Term3 | 7月中旬~9月下旬 |
春休み(2週間) | |
Term4 | 10月中旬~12月中旬 |
夏休み(1か月半) |
2-2.一日のスケジュール・時間割
オーストラリアではスクールバスや車送迎が主流で、生徒は8時半ごろ学校に着きます。
授業間の休み時間はなしか5分程度で、ランチタイムも30分程度です。一般的には、1日に50分授業を6コマ受け、15時ごろ学校が終わります。
授業中にグミなどのお菓子を食べている生徒がいるのは、日本との大きな違いです。
2-3.給食
オーストラリアの公立小学校では、給食ではなくお弁当が基本です。学校によっては、保護者が食堂を運営していてランチをオーダーする仕組みもあります。
中学と高校にも学食はなく、お弁当を持ってくるか売店やカフェで食事をします。しかし、あまり栄養価の高いものはなく、値段も高めです。
2-4.放課後の過ごし方
オーストラリアには部活動がないため、生徒は放課後、個人の習い事やスポーツクラブなどに行きます。また、日本と同じように、友達と遊びに行ったり、宿題をしたりといった過ごし方が主流です。趣味がある学生は、自分の趣味に打ち込んでいます。
2-5.宿題
宿題は授業ごとに出されますが、学校によって量はまちまちです。ほとんど宿題が出ない学校もあれば、日本より多く出される学校もあります。
また、夏休みや冬休みなど、長期休暇中の宿題はどの学校でもほとんどありません。
2-6.制服
制服は、学校から直接購入するか、指定のお店で購入することが一般的です。入学前に採寸して、入学式の日か、その前に開かれるオリエンテーションの日に受け取ります。
女子はブラウスとスカート、もしくはワンピースが多いです。男子はシャツに半ズボンを着用します。また、多くの学校で帽子が制服に含まれます。
3.こちらも気になる!注目したいオーストラリア学校の特徴
オーストラリアの学校にはどのような特徴があるのか、3つ解説します。
3-1.留学生のサポート体制
オーストラリアは移民が多く、英語ネイティブではない生徒も多いです。そのため、留学生を含め非英語話者のためのEALDクラスが設けられています。
また、現地での生活について相談できる窓口を設けている学校も。進路やメンタルなど幅広い内容について話せるだけでなく、バディ制度といって先輩生徒が新入生をサポートする仕組みもあります。
3-2.入学試験
日本人がオーストラリアの学校に入る時に入学試験はなく、日本での学業成績をもとに評価されます。5段階評価で3程度あれば入学できることが多いでしょう。
成績や英語力が足りていない場合、本来の学年より一つ下の学年から始めることも可能です。
3-3.卒業後の進路
Year10が終わったあと、大学進学を希望する学生はYear11とYear12に進みます。Year12を終えると修了証を取得。ATARが算出が算出され、0〜99.95でスコアがつきます。人気大学の人気学部に入るには、高い点数が必要です。
学校に通いながらVETという職業教育訓練を受ける学生もいます。TAFEという専門学校に行って専門知識を学び、キャリアをスタートさせるのです。
留学生で英語力が足りない場合は、ファウンデーションコースやディプロマコースに1年ほど通い、英語力を身につけてから大学へ行くことができます。
4.どんな人がオーストラリアの学校に向いている?

オーストラリアに向ている日本人はどんな人か、3つの特徴を解説します。
4-1.英語力を高めたい人
オーストラリアは移民大国で留学生が多いため、非英語話者が英語力を伸ばすための授業やサポートが充実しています。また、買い物や病院、銀行など毎日の生活で英語を使わざるを得ず、自然と英語力を伸ばすことが可能です。
クラスメイトとも英語でのコミュニケーションになるため、日本で机に向かって勉強するだけよりも英語を話せるようになるでしょう。
4-2.人と話すことが好きな人
オーストラリア人はフレンドリーで、オープンマインドな方が多いです。初対面でも気軽に話しかける文化で、会話が好きな方は毎日の生活を楽しめます。
また、留学生や移民が多く様々な人と交流できるため、会話を通して多様な文化を学ぶことができるでしょう。
4-3.海外留学・海外移住が初めての人
オーストラリアはシドニーやメルボルンなどの大都市でも治安が安定しており、初めて海外に行く方も安心です。それでも日本よりは危ないため、「夜は女性一人で出歩かない」などの対策は必要。
また、留学生向けの教育サポートや生活サポートが整っており、日々の生活で困ったことがあっても相談しやすいです。日本人もたくさん住んでいるため、何かあったら日本語で相談しやすい点もメリットでしょう。
5.まとめ
今回は、オーストラリアと日本の学校の違いについて解説しました。授業スタイルや進路など、日本と違う点がいくつかあるため、移住前に確認が必要です。
オーストラリアは留学生や移住者に寛容な文化で、学校でもサポートがあります。ぜひ、安心してオーストラリア留学を検討してみてください。