
これからオーストラリアに留学したいと考えている方にとって、「ビザはどうしたらいいの?」「自分で申請できるかな」という不安は大きいかもしれません。
今回は、オーストラリア留学に必要なビザについて解説します。書類の内容や手続きについて紹介するので、これから申請する方はぜひ参考にしてください。
1.オーストラリア留学に必要なビザの種類
オーストラリア留学には、どのようなビザが必要なのでしょうか。学生ビザとワーキングホリデービザの2種類について解説します。
1.1 学生ビザ
オーストラリアの学生ビザは、中学、高校、大学、TAFE(職業訓練専門学校)、専門学校などで、3か月以上勉強する方のためのビザです。政府が認定するコースを受講し、授業の出席率を80%以上に保つことが求められます。
また、学生ビザを取ることで週24時間までアルバイトすることも可能です。
1.2 ワーキングホリデービザ
オーストラリアでワーホリをするためには、ワーキングホリデービザが必要です。18歳から30歳の方が申請でき、5,000豪ドルを持っていることや休暇をオーストラリア国内で過ごすことなどが条件になっています。
申請から取得まで約2週間ほどですが、申請書にミスがあるとさらに時間がかかるため余裕を持った準備が必要です。
2.学生ビザの詳細

学生ビザを申請するために必要な情報をまとめます。以下の条件を事前に確認しておきましょう。
2.1 申請条件
オーストラリアで学生ビザを取るためには、下記の条件を満たす必要があります。
2.1.1 年齢要件
オーストラリアの学生ビザは、6歳以上であれば何歳でも申請できます。
2.1.2 入学許可証(CoE)の取得
CoEとは「Confirmation of Enrolment」の略で、入学許可証を指します。就学する学校に発行してもらう必要があります。
2.1.3 OSHC(海外留学生健康保険)への加入
OSHCとは「Overseas Student Health Cover」の略で、海外留学生健康保険のことです。病院での治療や各種検査、入院費、救急車費用などがカバーされます。
2.1.4 経済的証明
オーストラリアで生活するため、家賃や食費、交通費、学費などが払えるだけの経済的証明をする必要があります。具体的な金額や目安は公開されていません。
2.1.5 健康状態
オーストラリアの学生ビザを取得する日本人には、健康診断が免除されます。
ただし、製薬工場・医療機関を訪れる予定がある方や、育児関連で就労・研修の予定がある方などは、胸部レントゲン検査や内科検査を求められるケースがあります。
2.2 申請に必要な書類
学生ビザを申請するときは、以下の書類を準備してください。
2.2.1 パスポート
パスポートを持っていない方は、都道府県のパスポート申請窓口から申し込みましょう。2025年からオンラインでの申請ができるようになったため、日中に授業などがあっても無理なく申請できます。
申請から受取までは2週間かかるので、早めに申請しましょう。
2.2.2 入学許可証(CoE)
CoEは、オーストラリア政府が認めた学校だけが発行します。入学許可番号が入っていないものは無効になるため、確認しましょう。
2.2.3 OSHC加入証明
OSHCに加入すると発行される証明書です。
2.2.4 経済的証明書類
経済的証明をするための、銀行残高証明や給与明細です。
2.2.5 英語能力証明(必要な場合)
高等教育機関に直接入学する場合はIELTS6.0、英語コースとあわせて高等教育機関へ留学する場合はIELTS5.0が必要です。IELTSの試験当日はパスポートが必要になるため、先に申請しておきましょう。
2.3 申請手続きの流れ
留学ビザの申請手続きについて解説します。
2.3.1 ImmiAccountの作成
まずは留学先の学校を決め、CoEを発行してもらいます。次にオーストラリア移民局のサイトに飛び、ImmiAccountを作りましょう。
2.3.2 オンライン申請フォームの記入
アカウントを作ったらログインして、氏名などを入力します。入力途中でも、「Save」すれば再開可能です。
2.3.3 必要書類のアップロード
ドロップダウンが表示されるので、そこから種類を選んで「Attach」をクリックし、アップロードしてください。
2.3.4 申請料金の支払い
クレジットカードで申請料金を支払います。利用できるのはVisa、JCB、Mastercard、Diners、American Expressで、料金は1,600豪ドルです。
2.3.5 健康診断の受診(必要な場合)
一部の方は健康診断が必要になるため、「2.1.5 健康状態」を確認してください。
2.3.6 ビザ審査と結果通知
ビザの審査が始まります。結果は、登録したメールアドレスに届きます。
3.学生ビザ申請時の注意点

学生ビザを申請する際、3つのポイントに注意しましょう。
3.1 申請時期と余裕を持った計画
学生ビザの取得にかかる期間はまちまちで、最短で即日発行されたケースもありますが、数か月かかることもあります。少なくとも、渡航3か月前には申請を出すようにしましょう。
また、申請のためにパスポートなど必要書類を集めなくてはならないため、半年くらい前から計画的に進めてください。留学エージェントを利用すれば、いつ何を準備するべきかアドバイスしてくれるので、その期日を守るようにしましょう。
3.2 健康診断や無犯罪証明の取得
一部の方は健康診断が必要になるため、「2.1.5 健康状態」を確認してください。健康診断はすぐに受けられるかわかりません。ビザ申請の2か月前からクリニックを探し始めましょう。
また、学生ビザの申請で求められるケースはほぼありませんが、無犯罪証明書の提出を求められたら警察庁で発行しましょう。
3.3 ビザ条件の遵守(就労時間制限、出席率など)
学生ビザは、条件から外れると取り消される可能性があります。
まず、政府が認定したコースを週20時間以上受講しなくてはなりません。コースの出席率は、80%以上が求められます。また、アルバイトは週に24時間まで認められます。
ビザの有効期限はコース終了から1~2か月程度なので、帰国のタイミングには気を付けましょう。
4.その他のビザオプション
学生ビザではなく、ワーキングホリデービザで渡航するという手段もあります。オーストラリアに行きたい方は、一度検討してみてください。
4.1 ワーキングホリデービザの概要と条件
ワーキングホリデービザは18歳から30歳まで取得でき、1年間オーストラリアに滞在できます。5,000豪ドルを持っていること、子供を同伴しないことなどが条件となっており、4か月以内であれば学校に通学も可能です。
現地では様々な業種に就くことができるので、ネットやSNSで求人を探しましょう。
学生ビザ同様、ImmiAccountを作成して情報を入力し、必要書類を提出すると審査が始まります。自分で申請もできますし、エージェントに一任することも可能です。
5.ビザ申請後の準備

学生ビザを申請した後、どのような準備をすればよいでしょうか。2つのポイントをおさえておきましょう。
5.1 渡航前のチェックリスト
忘れ物がないよう、渡航前にはチェックリストを作っておきましょう。以下、参考にしてください。
貴重品 | ||
---|---|---|
パスポート | パスポートのコピー | ビザ |
チケット(オンラインの場合はスクリーンショットを撮る) | クレジットカード | 豪ドル現金 |
入学許可証 | OSHC加入証明書 | |
衣類 | ||
トップス(夏物・冬物) | ボトムス | 下着 |
靴下 | パジャマ | |
授業用道具 | ||
PC・タブレット | 筆記用具 | ノート |
日用品 | ||
歯ブラシ・歯磨き粉 | コンタクトレンズ | 化粧品 |
日焼け止め | 常備薬 | ブラシ |
変換プラグ | 充電器 | 折り畳み傘 |
爪切り | 耳かき | ホストファミリーへのお土産 |
このほか、インスタントの味噌汁やお菓子などあると、疲れた時に食べ慣れた味を楽しめます。
また、日本語の本を買うのは難しいので、読書が好きな方は数冊持っていくこともおすすめです。
オーストラリアは日差しが強く、日焼け止めを普段は使わない方も必ず持参しましょう。
5.2 オーストラリア到着後の手続き(銀行口座開設、携帯電話契約など)
オーストラリアでは学生ビザがあれば週24時間働くことができます。どこかでアルバイトする時には、TFN(Tax File Number)が必要です。オーストラリア税務局のサイトから申し込めるので、早めに準備しましょう。
また、アルバイトの給料を受け取るため銀行口座も開きましょう。代表的な銀行は、下記の通りです。
略称 | 銀行名 |
---|---|
ANZ | Australia and New Zealand Banking Group Limited |
NAB | National Australia Bank |
CBA | Commonwealth Bank of Australia |
WBC | Westpac Banking Corporation |
これらはオーストラリアのどのエリアにも支店があるため、何かあった時に便利です。
もし車を運転するなら、事前に国際免許に切り替えておくと便利です。忘れてしまった場合は、以下を準備すれば日本の免許証をオーストラリアの免許証に切り替えられます。
・日本の運転免許証(有効期限内)
・翻訳証明書
・パスポート
・ビザ
・身分証明書
・住所証明(銀行明細や公共料金の支払料金書など)
スマートフォンもオーストラリアで使えるようにしましょう。
最も簡単なのは、eSIMの購入です。オンラインで購入・設定でき、日本にいる段階で切り替えておくこともできます。SIMカードを使う場合は、現地の空港や町中のスマートフォンショップに取扱店があるので、値段などを吟味して購入しましょう。
6.最後に
今回は、オーストラリアの留学ビザについて解説しました。
ビザの発行には様々な書類が必要で、即日用意できないものも多いです。直前になって「間に合わない」とならないよう、早め早めの準備を心がけましょう。
また、エージェントと相談していつ何を準備すればいいかしっかりアドバイスももらってください。