留学やワーキングホリデーの滞在先として人気の国・オーストラリア。広大で豊かな自然、フレンドリーな人びと、そこにゆったりと流れる時間……こうした魅力あふれるオーストラリアでの生活に憧れて、留学を目指す人も多いことでしょう。
ただ、海外への渡航にはいろいろと準備が必要なもの。とくに初めての留学の場合は不安も大きいはずです。
そんなときに頼りたいのが「留学エージェント」。エージェントというと「高い」とか、「たくさん業者がいて選べない」といった声も聞きます。
そこで今日は、エージェントがどんなことをしてくれるのか、なぜエージェントに頼ったほうがいいのかを解説していきます。これを読めば、きっとエージェントを上手に利用して充実のオージーライフを満喫できますよ。
留学エージェントってそもそも何するの?
まず、そもそも留学エージェントはどんなことをしてくれるのかを見ていきましょう。
主な仕事内容
- カウンセリング
- 学校の入学手続き代行
- 航空券の手配
- ビザ申請の支援
- 現地サポート
- 海外保険の加入支援
エージェントの主な仕事としては、これらが挙げられます。学校や航空券の手配、ビザなどの申請はなかなか面倒なものです。
煩雑な手続きにくわえて英語が必要なシーンも多いため、「まだ英語わからないよ……」という方はエージェントにお願いしたほうが無難でしょう。
手続きミスでビザが下りない、といったトラブルは絶対に避けたいものですからね。
留学エージェントは基本無料?
誤解されがちなのですが、留学エージェントは基本的に無料で利用できることが多いです。学生の方は馴染みがないかもしれませんが、転職エージェントをイメージするとわかりやすいですね。
転職エージェントは、転職希望者からはお金をいただきません。あくまで無料でサポートして、入社が決まったら、その候補者を受け入れた企業から手数料をもらいます。
留学エージェントも基本的にはこのスタイルです。この場合、上記の企業に当たるのが「学校」ですね。語学学校などに生徒となる留学希望者を送客することで、エージェントは学校から手数料をもらうのです。
ただし転職エージェントと違うのは、ビザの申請や保険・航空券の手配なども請け負っている点。こうした申請は、個人が自分でやってもビザ代や保険料などのお金がかかります。
かつ、煩雑な手間を代行するわけですから、一定の代行手数料が上乗せされるケースがほとんどです。こうした代金が乗ってくるために「留学エージェントは高額」との印象を持たれがちですが、事務手続き系の費用の大半は自分で行なっても発生します。
エージェントって使う必要ある?
留学やワーホリの準備に際して、エージェントを使うかどうかは個人の自由です。今やインターネットでいくらでも情報は取得できますから、エージェントを利用しないという選択ももちろんアリでしょう。
旅行予約や転職など、従来エージェント(代理店)を頼ってがどんどん行なっていたことが、個人でできるようになってきていますからね。
そこで、「エージェントを使う場合」「使わない場合」それぞれのメリットを比較してみたいと思います。
エージェントを使うメリット
- 公式代理店価格で学校に通える
- 英語ができなくても安心
- 面倒な手続きを丸投げできる
- 大幅な時間の節約になる
- 忙しい人でも準備が進めやすい
- どんな留学がベストか助言してくれる
- 現地サポートがあればさらに安心
- 困ったことがあればすぐ相談できる
使わないメリット
- お金がかからない
- イチから自分でやる達成感を味わえる
- 英語が鍛えられる(主にリーディング、ライティング力)
- 学校や居住先など自分でカスタムメイドできる
なぜエージェントを利用したほうがよいのか
エージェント活用の最大のメリットは「時間の節約」でしょう。慣れない学校探し、住む家やビザの手配、保険・航空券の購入など、留学の準備には膨大な時間がかかります。その手続きの多くは煩雑な事務作業になるため、労力も多大なものとなりがちです。
事務作業に慣れた社会人経験者ならまだしも、そうした経験のない方や学生にとっては非常に辛いものになりえるでしょう。また、そもそもシドニーやパース、ブリスベンなど各地に魅力的な都市のあるオーストラリアですから、どの地域に渡航すべきかを決めるだけでもひと苦労のはず。
エージェントに任せることで、それらの労力と時間をカットできます。
また、学校と直接契約して公式代理店になっている留学エージェントであれば、個人で直接申し込むより授業料が安くなることが多いです。
学校も多くの生徒を留学エージェントに紹介してほしいため、留学エージェント向けに授業料を安く設定しています。
エージェント選びで考慮すべきポイント
頼りになるエージェントですが、もちろんどこを選んでもいいというものではありません。
オーストラリアのみに限っても、留学エージェントは何十社もあります。この中でどこを選んだらいいか、そもそもそれ自体がわからないという人も多いでしょう。
ここでは、エージェント選びのときに意識したいポイントを挙げていきます。
さらに詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
費用について。「サポート料金」に注意しよう
費用の問題は切実です。留学はただでさえお金がかかりますが、エージェントに頼むことでさらに大きく増えてしまうのは避けたいですよね。
留学エージェントに依頼する際、注意したい費用項目はだいたい決まっています。
- 航空チケット
- 海外留学保険
- 学校でのプログラム費用
ひとつずつ、詳しく紹介していきましょう。
コーディネーターに留学や渡航先の知識があるか
実際に留学の相談を受けるコーディネーターの質はとても重要です。あなたが留学や渡航先の国についてほとんど知らない場合、コーディネーターのアドバイスが留学プランに大きく影響する可能性があるからです。
留学や海外生活、英語、またもちろんオーストラリアの教育や文化に関して専門的な知識を有しているか、よく見ておきましょう。
コーディネーター自身がオーストラリア留学の経験があるのがベストでしょう。実際の現地の事情や体験談が聞けるので参考になりますし、トラブルの際もきっと力になってくれるでしょう。
自分に適した多様な学習プランを提示してくれているか
大半の人にとって留学の目的は学習です。英語の学習はもちろんですが、他にもオーストラリアの歴史や文化、ビジネスについて知見を深めたい、バックグラウンドの違う海外の人々と交流を深めたい……など目的は個人ごと異なるはず。
ですから、現地での学習プランはその人の目的によって変わってくるのが普通です。
にもかかわらず「留学といえば語学学校」とばかりに、同じプランを押しつけてくるエージェントも少なからず存在します。そうした事業者には柔軟で親身な対応は期待できそうにないので、なるべく敬遠したいものですね。
留学のメリット、デメリットを明示しているか
この点もとても大事ですね。いいところばかり伝えるのではなく、いい点も悪い点も、ニュートラルに教えてくれるエージェントは信頼できますね。
家電量販店の販売スタッフなどがわかりやすいです。「このカメラ、すごいんですよ~」とメリットばかり前面に押し出してくるのは押し売りと変わりません。丁寧で信頼できるなと感じるスタッフというのは、製品のデメリットや注意点もしっかり教えてくれるものです。
とくに留学の場合、見知らぬ異国での生活になります。トラブルやホームシック、勉強の大変さなど、キラキラした留学のイメージとは違う部分も必ずあります。
そうした点にもきちんと触れ、メリットもデメリットもバランスよく伝えてくれる誠実なエージェントを選べば間違いないでしょう。
留学エージェントの比較
ここまでお読みいただいた皆さんは、エージェントを利用することについて前向きになっておられると思います。
でも、まだ具体的にどのエージェントがいいのかわからないという人もいるかもしれません。それにエージェントは数が多いので、注意ポイントがわかったからといって、自分で探すのは億劫という方もいるでしょう。
そこで、次はエージェントの比較を見ていきます。ラララ・オーストラリアを軸に、大手・中小・現地エージェントの3つとそれぞれ比べています。
ぜひ、参考にしてみてください。
比較検討ケース1 大手留学斡旋会社とラララ・オーストラリア
項目 | 大手留学斡旋会社 | ラララ・オーストラリア |
---|---|---|
サポート料金 | 29万円 | なし |
相談窓口 | 日本だけ | 両方可(日本から・オーストラリアから) |
現地からの国際電話 | 無 | あり |
学校紹介 | 決まった学校だけ | オーストラリア全土の学校OK |
学校情報 | 手元にあるだけ | 営業時間内であれば、すぐに学校問い合わせできる |
滞在先紹介 | ほとんどホームステイ | 自由選択(ホームステイ、シェアハウス、学生寮) |
航空券 | パッケージ(自由選択できない) | 自由選択できる。比較検討OK |
留学保険 | パッケージ(自由選択できない) | 自由選択できる。比較検討OK |
比較ポイント
高額なサポート料金を支払う場合は、必ず内訳を確認してください。「サポート料金をパッケージ扱いにしていて、なんだか色々サポートがあるなぁ」と思ったら要注意です。
そうした場合、意味のないサポート、本来なら無料で対応できるサポートがほとんどだからです。
英会話レッスンをサポートにつけている会社も見受けられますが、そのレッスンは必ず「英会話レッスン料」として個別に把握したほうがいいです。
サポート料金とセットだと曖昧で他事業者と比較することができません。英会話レッスンが単体でいくらなのか把握するようにしましょう。
比較検討ケース2 中小規模の留学斡旋会社とラララ・オーストラリア
項目 | 中小留学斡旋会社 | ラララ・オーストラリア |
---|---|---|
サポート料金 | 5万円から15万円 | なし |
相談窓口 | 日本だけ | 両方可(日本から・オーストラリアから) |
現地からの国際電話 | 無 | あり |
学校紹介 | 決まった学校だけ | オーストラリア全土の学校OK |
学校情報 | 手元にあるだけ | 営業時間内であれば、すぐに学校問い合わせできる |
滞在先紹介 | ほとんどホームステイ | 自由選択(ホームステイ、シェアハウス、学生寮) |
航空券 | その会社手配の航空券を購入が必須 | 自由選択できる。比較検討OK |
留学保険 | その会社手配の航空券を購入が必須 | 自由選択できる。比較検討OK |
比較ポイント
サポート料金は大手に比べると安くなります。ただし、中小エージェントはオーストラリア現地にオフィスがないことがほとんど。よって留学に関する現地情報は、限られたものしか用意できていないのが実情です。
また、請求書が現地の価格よりも上乗せになっている場合があります。学校の授業料など、学校からの公式の請求書を直接見られるのか確認しましょう。エージェント発行の請求書だけで承諾してしまわないように注意が必要です。
なおラララ・オーストラリアは透明性ある費用を心がけており、学校の請求書も確認することができます。
比較検討ケース3 現地の留学斡旋会社とラララ・オーストラリア
項目 | 現地の留学斡旋会社 | ラララ・オーストラリア |
---|---|---|
サポート料金 | 無料から8万円 | なし |
相談窓口 | 現地だけ | 両方可(日本から・オーストラリアから) |
現地からの国際電話 | あり | あり |
学校紹介 | 所在都市付近の学校がほとんど | オーストラリア全土の学校OK |
学校情報 | 営業時間内であれば、すぐに学校問い合わせできる | 営業時間内であれば、すぐに学校問い合わせできる |
滞在先紹介 | ほとんどホームステイ | 自由選択(ホームステイ、シェアハウス、学生寮) |
航空券 | その会社手配の航空券を購入が必須 | 自由選択できる。比較検討OK |
留学保険 | その会社手配の保険を購入が必須 | 自由選択できる。比較検討OK |
比較ポイント
前提として、ここでの「現地の留学エージェント」とは、現地のみに拠点を持つエージェントを指します。現地で活動するそうしたエージェントは、情報の量と質という点では日本国内にあるエージェントよりも上でしょう。
ただ、「日本にオフィスがない」ことは彼らの弱みにもなりえます。留学生は渡航前は日本にいるケースが大半でしょうから、同じ日本にエージェントがいないとなると何かと不便です。ちょっとした相談もしにくくなりますし、各種手続きの代行も現地からでは対応が難しいでしょう。
なお学校選びや現地サポートのみをエージェントに依頼し、航空券や留学保険の手続きは自分でやるということも通常は可能です。ただし現地でのみ活動するエージェントの中には、航空券などの手続きは必ず自社を介さないといけないという条件を付けてくる事業者もいます。
その場合、留学生には選択肢がないので、上乗せされて高額な代行手数料を支払うことにもなりかねません。
まとめ
留学はお金も時間もかかります。そしてそれ以上に、人生を大きく左右しうるビッグイベントです。
もちろん「オーストラリアに行きたい!」「英語でコミュニケーションがしたい!」といった熱量や勢いは大切なもの。勢いがなければ、短期にせよ長期にせよ、日本から離れた外国で暮らそうなんてなかなか思えないでしょう。
とはいえ、やはり大きなイベントには変わりありませんから、しっかりと事前準備をして備えておくことも必要です。
そこに大きな役割を果たすのがエージェントですね。面倒な事務手続きだけでなく、学校や住居選びから現地サポートまで、留学の充実度に直接影響する要素まで関わってきます。
だからこそ、よく情報を調べて、信頼できる良質な留学エージェントを見つけましょう。皆さんの留学が、充実したものになることを願っています。