留学先として人気のオーストラリアですが、意外と知られていないのが西オーストラリア州の州都、パース。パースは「世界一美しい街」とも言われる自然と近代が融合した街で、世界の住みたい街ランキングに5年連続トップ10入りするなど、多くの人に人気の都市です。
日本人が少なく英語環境に身を置きやすいことや、最低賃金が高く勉強しながら稼げることから、留学先としてもおすすめです。そこで今回はメリット・デメリットを含めた、パース留学についての情報完全ガイドをお届します。
パース留学の基本情報
パースの面積と人口
パースの面積は約6,400km²です。人口はおよそ200万人で、西オーストラリア群の人口の8割近くがここパースに集中しています。人気の都市のため人口は年々増加傾向にあり、犯罪率の上昇や水不足の懸念に悩まされているという側面もあります。
パースの地区・エリア情報
パースはオーストラリア最大の州、西オーストラリア州の州都であり、オーストラリア第4の都市と言われています。オーストラリアで唯一インド洋に面しており、近代と自然が融合する美しい街です。
パースの物価
人件費の高さや輸入コストなどが理由でオーストラリアの物価は高いと言われていますが、中でもパースの物価は他の都市に比べても高めです。特に外食が高いため、留学中の滞在費用を抑えたい方は自炊をするのがいいでしょう。
パースの気候
パースは1日あたりの年間平均日照時間が8時間、年間70%は晴れと晴天率が高いのが特徴です。1年間の平均最高気温は24.7℃・平均最低気温は12.7℃で、年間を通して過ごしやすい気候です。
パースの公用語
パースの公用語は英語です。パースに集まる留学生は移住や就労を目指している人も多く英語力が高い傾向にあるため、アルバイトなどの職を得るにはある程度の語学力が求められます。
日本からパースへの移動
2019年9月からANAで成田-パースの直行便の運航が始まり、アクセスがしやすくなりました。また、シドニー・メルボルン・ブリスベンなどの都市から国内線で移動するのも便利です。
パース留学が人気の理由
人気の理由(1)住みやすい街ランキング5年連続上位の人気都市
「世界で最も住みやすい街ランキング」で5年連続トップ10にランクインするパースは、国外のみならずオーストラリア国内からの転入者も多い人気都市。
「住みたい街ランキング」の評価基準である安定性・医療・文化・環境・教育・インフラの6項目全てにおいて高評価を獲得しており、非常にバランスの取れた街です。
留学先の選定においては治安や過ごしやすさが重要な要素となってきますが、5年連続選ばれ続けているパースであればそのような心配は無用です。
人気の理由(2)1年を通して過ごしやすい気候
パースは夏の平均最高気温は30℃・冬の平均最低気温は9℃と年間を通して温暖で過ごしやすい気候です。朝晩や夏冬の気温差が激しいと体が順応できずに体調を崩す原因にもなりますが、1年中穏やかで過ごしやすい気候のパースは長期滞在にも適しています。
また、湿気が少なく晴天率も高いため、常にからっとした快適な空気です。ちなみに四季は日本と真逆で、春は9月~11月が春、12月~2月が夏、3月~5月が秋、6月~8月が冬となります。
人気の理由(3)最低賃金が高い
世界一最低賃金が高い国オーストラリアですが、なかでもパースがある西オーストラリア州は特に時給が高い地域です。
オーストラリアは学生ビザ保持者のバイトが認められているため、英語を勉強しながらお金を稼ぐこともできます。滞在中に留学費や生活費を稼ぎたいという人にはぴったりでしょう。
ただし、都心に比べると求人が少ないため、語学力がないと職を得るのに苦労する可能性もあります。英語に自信のない人は語学学校で英語力を鍛えてからアルバイトに挑戦してみるのもいいでしょう。
パース留学のメリット
メリット(1)街並みが美しい
パースは「世界一美しい街」と言われるほど街並みが綺麗で、宇宙からパースを見た飛行士のジョン・グレンはその美しさからパースを「光の都市」と表現しました。計画的に行われた都市づくりで歴史的建造物と近代的建造物が見事に融合した街並みは、歩いているだけでも感動するような美しさがあります。
メリット(2)自然が豊か
パースは近代的なビルが立ち並ぶ一方で、多くの自然が残されています。車で少し行ったところにはビーチ・砂漠・森・公園など多数の自然観光スポットがあり、自然の神秘と癒しを感じる事ができます。近代化している街と多くの自然が共存しているのもパースの魅力のひとつです。
メリット(3)日本人が少ない
日本からの直行便がこれまでなかったことや大都市に比べ知名度が低いことから、パースにいる日本人居住者や日本人留学生は多くありません。語学学校や街中に日本人が少ないことで他国の学生や地元の人と交流でき、より活きた英語に触れる機会が多くなるため、英語を学習するにはうってつけの環境であると言えるでしょう。
メリット(4)図書館が充実している
パースには市立と州立の大きな図書館がふたつあり、留学生も多く利用しています。お洒落なデザインの図書館は外観だけでなく中も綺麗で勉強もはかどること間違いなしです。また、パースにはこの2つの図書館以外にも複数の図書館があり、勉強が本業の留学生にとってはありがたい存在です。
メリット(5)マリンスポーツが楽しめる
パースはインド洋に面していることもあり、街からちょっと行ったところに綺麗なビーチがたくさんあります。そのためシュノーケル・ダイビング・サーフィン・カヤック・釣りなどのマリンスポーツも盛んで、夏は特にビーチライフを満喫することができます。
メリット(6)街の人がフレンドリー
パースは「フレンドリーシティ」の異名を持つほど人々がフレンドリー。街の人たちは困っているときはもちろん普段から積極的に声をかけてきてくれる人が多く、日常の中で自然と会話が始まるシーンがよくあります。現地の人は穏やかで陽気な性格の人ばかりです。
メリット(7)世界最大規模の公園がある
パースには世界最大規模の公園「キングスパーク」があります。東京ドームおよそ87個分もの広大な敷地を誇るこの公園は、地元の人のみならず観光客にも人気のスポット。散策したり、カフェでお茶したり、芝生でのんびりしたりとみな思い思いに過ごしています。
留学生にとって勉強の息抜きや休日のリフレッシュにはぴったりの場所です。また、パースの街を一望することができるため、夜景スポットとしても有名です。
メリット(8)市内はバスが無料
パース市内には「パースCAT」と呼ばれる無料バスが走っており、市民のみならず観光客にとっても重要な移動手段となっています。4種類のルートでおよそ10分~15分毎に運航しており、車がなくても日常の移動に困ることがないのは嬉しいポイントです。
メリット(9)BBQ設備が無料で使用できる
パースでは公園や広場にあるBBQ設備を無料で使用することができるため、週末になると家族連れや仲間内でBBQをしている光景をよく見かけます。BBQスポットが多くあるため混雑することもなく、気軽にBBQを楽しむことができます。
メリット(10)日本との時差は1時間
日本との時差はたったの1時間なので、多くの留学生が悩まされる時差ボケや日本にいる家族や友人との連絡にも困ることはありません。生活リズムや体調を崩す心配もなく、より早く留学先での生活に慣れることができるでしょう。
パース留学のデメリット
デメリット(1)物価が高い
全体的にオーストラリアは物価が高いと言われていますが、なかでもパースは特に物価が高い都市として有名です。しかしそのぶん賃金も高いため、上手くやりくりすれば生活が苦しくなるということはないでしょう。
デメリット(2)他都市とのアクセスは不便
東海岸のシドニーやメルボルン、また隣の州都へも飛行機での移動が必要になることからパースは「世界一孤立した都市」とも呼ばれています。街には主要施設が揃っているため生活には支障ありませんが、他の都市へ頻繁に旅をしたいという人には不向きかもしれません。
デメリット(3)長期滞在する場合は飽きる可能性がある
パースは、デパート・スーパー・レストラン・カフェ、日本語医療センター・銀行などの留学生活に必要な施設が徒歩20分圏内に揃っているコンパクトな街です。
外国人にとっても分かりやすく迷子になりにくいというメリットはあるものの、大都市に比べると見どころや観光スポットが少ないため長くいると飽きるという声も少なからず聞かれます。
デメリット(4)英語に訛りがある
現地の人たちの話す英語には訛りがあるため、最初のうちは全く理解できずに慣れるまでは苦労する人も少なくないようです。
留学に行って訛りのある英語を習得してしまうのではと心配する人もいますが、基本的に語学学校の先生は訛りのない英語を話すため学校の授業には支障ないでしょう。ただ、日常生活においては慣れるまで苦労するシーンも多いかもしれません。
パース留学はこんな方におすすめ
オーストラリア留学の行き先としてメルボルンやシドニーと比べてまだ知名度の低いパースですが、美しい街並みとフレンドリーな人柄は一度訪れた人を必ず虜にする魅力を持っています。
実際にパースに留学や居住したことのある人は口を揃えてパースはいいところであるとおすすめします。そんな魅力溢れるパースは、
- 住みやすい都市で快適に英語の勉強をしたい
- アルバイトをしながら稼ぎたい
- 海や自然の近くで生活したい
- 大都市のようにゴミゴミしている場所は苦手
という人にはぴったりの留学先であると言えるでしょう。
パース留学での滞在方法
最後にパース留学での滞在方法についてご紹介します。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分の好みや希望するライフスタイルに合わせて選択しましょう。
ホームステイ
留学の滞在方法として人気なのがホームステイ。現地の家族と一緒に暮らすためその土地の文化を肌で感じることができますし、食事付きなので自炊ができない人も安心です。また、毎日現地の人と顔を合わせて会話をする機会があるため、英語力の向上にも繋がります。
一方で、シャワーの時間や家のルールなど一緒に暮らしているからこそ気を遣うことが多いのも事実です。海外に慣れていない人、現地の人と近い生活を送りたい人、家事が苦手な人、一人で生活するのは不安な人におすすめの滞在方法です。ホームステイの費用は月8万~9万が目安です。
学生寮
留学先の語学学校や大学が提供している学生寮に滞在するのもメジャーな方法です。同じ学校の留学生と一緒に生活するため仲良くなりやすく、学校の授業だけでなく帰宅後も英会話の練習になるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、門限などの決まりもなく自由度が高いため、自分のペースに合った生活を送ることができます。
2019年にはパースの大学・専門学校・語学学校などの教育機関に在籍する学生であれば誰でも入居できる大型学生寮もオープンし、学校の枠にとらわれずに留学生同士交流ができる寮もあります。
学生同士の交流が利点となる学生寮ですが、夜な夜なパーティーが繰り広げられたり人が集まったりするため、静かに暮らしたい人には不向きかもしれません。
また、家事や料理は全て自分でやる必要があるため、ある程度の生活力は必要となります。相部屋か一人部屋かで費用は変わってきますが、月6万~9万くらいが目安となります。
一人暮らし・ルームシェア
長期滞在の場合は一人暮らしやルームシェアを選択する人も少なくありません。仲のいい友人同士で家を探すこともあれば、インターネットや学校の掲示板などで入居者を募っているところにコンタクトを取る方法もあります。
滞在方法のなかで最も自由度が高く、立地から部屋のレイアウトまで自分の希望・好みに合わせて選択することができます。
ただ、ハウスルールの確認や契約など一通りの手続きを自分で行う必要があるため、ある程度語学力や社会経験がある人向けと言えるでしょう。
家事や料理ももちろん全て自分でやらなくてはいけないため、自由さと引き換えに自立も求められます。
費用は一人暮らしかルームシェアか、また立地によっても大きく異なりますが、一人暮らしであれば月5万円ほど、ルームシェアであれば月3万円ほどがおおよその目安となります。