日本人を含め留学生が、オーストラリアの大学を卒業後、現地での就職を希望する人は多くいると思います。就職をする為には、在学期間中にその分野に関する専門知識をどれだけ深く学んだかが大切なポイントです。
また、オーストラリアの大学を卒業しても就職は日本でする人もいます。オーストラリアの大学に通う場合でも、現地の就職と日本での就職、両方を見据えてキャリアプランを立てていくことが重要です。大学で学ぶ知識をどのように将来的に生かしていくかを考え、留学生活を送りましょう。
目次
オーストラリアの大学を卒業後 オーストラリア現地で就職
留学生は、オーストラリアの大学を卒業したとしても必ずオーストラリアの企業に就職できるとは限りません。留学生がオーストラリアで正社員として就職を目指す為には、充分な専門知識と職務経験を卒業と同時に取得している事が大切です。
知名度が高く、授業が厳しい大学を卒業すれば、オーストラリアでの就職に有利になるかもしれませんが、その分落第率や退学率が高くなるケースもあります。また評価の良くない成績で卒業した場合は、オーストラリアの企業からは十分な専門知識がないと判断されるかもしれません。
そのため留学生がオーストラリアの現地で就職をするためには、大学在学期間中にどれだけ専門知識を深くまで探求し、即戦力として企業で生かせる能力を身に着けているかが大切です。
オーストラリアの大学を卒業後 日本で就職
オーストラリアの大学を卒業後、オーストラリア現地ではなく日本で就職をされる方もいらっしゃいます。日本で就職を希望する場合も事前の準備が大切です。
就職活動について情報収集をする
日本の就職活動と同じように、就職斡旋サイトや企業サイトに登録をして日本の就職活動や御自身の希望の業界について情報収集をしましょう。今はインターネットが普及しているので、オーストラリアの大学に通いながらにして最新の日本の就職事情を把握することが可能です。
英語力の証明となる資格試験を受ける
就職活動中に、企業の人事の人の中にはオーストラリアの大学を卒業する英語力を持っていますとアピールしてもピンとこない方もいると思います。
そんな時に備えて、英語力の証明となる資格をオーストラリアの大学在学中に取得することをお勧め致します。これで明確に自身の英語力が伝えられますね!資格試験には、TOEIC、IELTS、TOEFL、ケンブリッジ英検などがあります。
オーストラリアの大学の休暇中に日本の企業でインターンシップを行う
オーストラリアの大学長期休暇中に日本に帰国し、日本企業でインターンシップを体験する事もお勧めです。実際に働く前に、実際の現場で働くことが出来るチャンスです。
日本企業やその業界を知るうえで貴重な経験になるでしょう。事前の準備をしっかり行い、帰国後本格的な就職活動を始めましょう!
そもそもオーストラリアでの就職の難易度は?
広大な自然とリラックスした人々が魅力的なオーストラリアでの生活は、やっぱり憧れますよね。ではそもそも、オーストラリアで働くことはどれくらい現実的なのでしょうか。その難易度を見ていきましょう。
永住は難易度が非常に高い
留学やワーキングホリデーと違い、就職なら一生住みたいと考える方も多いでしょう。そのためには永住権が必要になりますが、この永住権は取得するのがとても難しいです。とくに職種の制限があるため、仕事内容によっては申請すらできないケースもあります。
永住を目指す場合、永住権ビザの申請に適した職種の仕事に就くことがカギとなります。ビザ申請で有利なのは、当然ながら人手不足の仕事が中心です。具体的には理系や専門的な職種が強いといわれています。技術者・医者・会計士・看護師などの職業ですね。
一方で、営業やマーケティング、事務職などの文系職種は不利といえます。なお永住権ビザを申請できる対象職種は、オーストラリア政府が公式に発表しています。ただしこのリストは随時更新されていくため、本気で永住を目指す方は定期的に最新情報をチェックしておきましょう。
参考: https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/working-in-australia/skill-occupation-list
一時的な就職であれば中程度の難易度
永住ではなく、数年ほどオーストラリアで仕事の経験を積みたいということであれば、難易度は下がります。この場合は、現地でのキャリア経験をもとに別の国に移ったり、または日本に帰国してキャリアアップすることが目的になるでしょう。永住権ビザの申請は不要になるため難易度は下がるものの、情報収集や自己アピールなどの準備は日本での就職活動と同じように必要となります。
オーストラリアではどれくらいの人が働いているか
日本人に人気のオーストラリアですが、現地に住んでいる日本人は8〜9万人ほどといわれています。この中には留学生やワーキングホリデーの人も含まれるものの、それなりの数の日本人が現地で就職をしていることがわかります。オーストラリアで仕事を見つけることは簡単ではありませんが、可能性はあるということですね。
オーストラリアにはどんな職種があるか
オーストラリアでの職種にはどんなものがあるかを把握しておきましょう。なお、先ほど永住権ビザの項目で「理系が有利」と書きましたが、それはあくまで永住を目指す場合のこと。以下に紹介する仕事は、永住権ビザからいったん離れて「日本人が就きやすい仕事」ですので、ご注意ください。
専門的なスキルが求められないもの
- ツアーコンダクター
- 日本食レストラン
- 美容師
- 留学エージェント
見るとわかるとおり、いずれも接客の要素が強く、日本人を相手にした仕事、もしくは日本に興味のあるお客さんに接する仕事といえます。つまり「日本人であること」がそのまま強みとなる職業が、オーストラリアで就職を果たす際に有利なのです。
当然といえば当然ですよね。現地のオーストラリア人で事足りる仕事なら、わざわざ日本人を雇うメリットはありませんから。日本と親和性の高い職業であれば、英語力や専門スキルに多少の不安があってもカバーできます。
「せっかくオーストラリアに行ったのに日本に関連する仕事なんてしたくない」という方もいるかもしれませんが、やりやすい環境で現地でのビジネスに慣れておき、語学力をはじめ経験を積んだうえでステップアップする戦略も有効です。最初のとっかかりとして、上記の職業を検討するのはとても有意義といえます。
専門的なスキルが必要なもの
- ITエンジニア・技術者
- 会計事務所
- 銀行員
- 商社
こちらは比較的スキルや知識が必要な仕事ですね。とくにITエンジニアや機械類のエンジニアはオーストラリアでも人材不足なので、スキルがあれば需要は高いといえます。会計事務所や銀行は文系色が強いものの、やはり専門的な知識が求められるため、これらの知識とスキルを持つのであれば就職しやすいでしょう。
オーストラリアでの就職に必要なものは?
それでは、オーストラリアで就職する場合、具体的にどのような準備が必要なのでしょうか。代表的なものをピックアップして紹介していきましょう。
ビザ
まず必須なのはビザです。これがないと、そもそも現地渡航自体ができなくなってしまいます。オーストラリアで仕事をするには就労ビザが必要になります。なお就労ビザは、オーストラリア留学をしていると取得が有利になります。
英語力の向上や現地の文化理解、外国人とのコミュニケーションへの適応などメリットも多いため、就職の準備としてまず留学をする人が多いようです。あるいは、短期・長期の留学を通じてオーストラリアの魅力に触れ、「次は就職したい!」という思いに目覚める方も多いかもしれませんね。
英語力
また、英語力も求められます。もちろんどれくらいのレベルで必要かは職業や周囲の環境によりますが、少なくとも現地の人々と問題なく意思疎通を図れる程度の水準は必要でしょう。
専門知識・スキル
また、どのような仕事においても、ある程度の専門知識やスキルは不可欠です。ITエンジニアや技術系の仕事だけでなく、日本食レストランやツアーコンダクターといった接客業でも同じです。むしろ日本の伝統や文化が価値を持つ接客業ほど、現地の人々が知らない「日本人ならでは」の情報や知識を持っていると重宝されるのではないでしょうか。
オーストラリアでの就職の前に押さえておきたいこと
憧れのオーストラリア就職を本気で目指すのなら、現地での労働環境や文化も事前にある程度理解しておくのが望ましいでしょう。
オーストラリアの給与水準は高い
資源国家として発展を続けるオーストラリアは、ここのところ多少鈍化はしたものの、給与水準も伸び続けています。フルタイム職の平均年収が約79,000オーストラリアドル(AUD)となっています。1AUD=85円とすると、日本円でおよそ670万円。日本の平均年収は500万円を下回る水準ですので、かなり高いといえるでしょう。
もちろんこれは全体の職業の平均ですので、採鉱業・金融・ITなど高収入職であればさらに上がります。上記3つの職業だと、それぞれ約100,000AUD前後の平均年収となっているようです。
オーストラリアは物価も高い
年収が高いということは、比例して物価も高いということになります。オーストラリアの物価の高さは有名ですから、皆さんもご存知だと思います。ランチを外食しようとしたら日本円で1,500〜2,000円は当たり前。コーラもボトル一本が400円、といった具合です。収入が高い反面、それなりの生活コストがかかることも理解しておきましょう。
オーストラリアは労働者天国?
そうはいっても、総合的に見て、オーストラリアは日本よりも労働者に優しい国といえるでしょう。まず、残業がほとんどありません。日本では残業がまだまだ当たり前ですが、オーストラリアで定時後も仕事をしている人は稀です。
また、これは会社や部署にもよりますが、総じて仕事量も多くなく、マルチタスクや忙しいスケジュールに慣れた日本人からすると「こんなに楽でいいのかな」と思うこともあるようです。ストレスの少ない仕事環境で、残業もなく、定時に颯爽と帰宅してプライベートを楽しむ……そんな夢のような環境が実際にあるのがオーストラリアなのです。
オーストラリアでの就職 本気で叶えるために
ここまで、オーストラリアの就職について、難易度や有利な職種、労働環境などを紹介してきました。おわかりのとおり、オーストラリアで働くことは、決して日本での就職に比べて簡単ではありません。ビザ申請や英語力、異文化理解が必要なだけ、日本での仕事よりもハードルが高いともいえます。
それでもやっぱりオーストラリアで働きたい!という方のために、現地で仕事を得るための具体的な方法について解説していきたいと思います。ぜひ、参考にしていただけたら嬉しいです。
自己分析
日本の就職活動ではおなじみの自己分析ですが、もちろんオーストラリアでの就職にも必要となります。雇用主からすれば、現地のオーストラリア人や、他国からの移民ではなく、日本人であるあなたを雇うメリットがなければわざわざ雇用したりしないでしょう。
雇用主に「この人が欲しい!」と思わせるには、あなたの強みと、会社があなたを雇うことでどんなメリットがあるのかを明快に伝えられる必要があるわけです。そのために、まずは自分がどんな強みを持ち、どのような課題を解決できるのか、きちんと理解しておくことが大切です。
エージェントを利用
これも日本と同じで、現地での就職には情報収集が欠かせません。現在はインターネット経由で様々な情報をピックアップすることができますが、遠い国の事情ですから、自分ひとりで行うのは何かと効率が悪いこともあります。
そこでおすすめなのが、就職をサポートしてくれるエージェントを利用することです。日系のエージェントであればJAC Recruitmentはぜひ登録しておきたいところですね。現地の企業情報はもちろん、英文レジュメの添削やキャリア相談にも対応してくれるのでとても心強いでしょう。
その反面、やはり日系エージェントなので、保有する求人数はそこまで多くないといえます。そこで合わせて活用したいのは、現地の求人サイトです。ndeedとCareer Oneの2つが有名ですね。これらはあくまで求人サイトなので、キャリアサポートしてくれるエージェントとは別物になりますが、ローカルサイトということで圧倒的な求人数を誇ります。エージェントを通じて現地事情や就職のためのポイントを理解しながら、現地サイトを見て適した求人を探すというやり方が正攻法かもしれません。
参考:
JAC) http://www.jac-recruitment.jp/
Indeed) https://au.indeed.com/
Career One) https://www.careerone.com.au/
奥の手は現地飛び込み
オーストラリアでの就職を見事に果たした人の中には、直接現地へ行って企業に自分を売り込んだという強者も少なくないようです。この方法は一見無謀なようですが、現地で働きたいという熱意を伝えるには一番手っ取り早いかもしれません。
オーストラリアへ行くので、当たり前ですが渡航費や滞在費がかかります。内定を獲得できる保証もありません。事前に日本からメールなどで問い合わせてアポを取っている場合は別ですが、アポなしで飛び込んだ場合、面談のチャンスを得られるかどうかも怪しい。
そんなリスクだらけの状況でも果敢に飛び込んできたなら、採用担当者にもあなたの凄まじい熱意は確実に伝わるでしょう。もちろんそれで採用が決まるとはいえませんが、こういう思いきった方法でオーストラリアでの仕事をゲットした先輩たちもいるという事実は、知っておいて損はないと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回は、オーストラリアでの就職について難易度や職種、方法などを解説してきました。留学やワーキングホリデー、そしてもちろん観光の目的地としても大変な人気を誇るオーストラリアは、就職先・永住先としてもやはり人々の憧れの地です。
難易度は決して低くないものの、就職に成功して現地で働いている日本人も多数いることは、これから就職を目指す皆さんの励みになるのではないでしょうか。オーストラリアでの就職には何より情報と行動力が必要ですから、ぜひ今回の記事をチャレンジの参考にしていただけたら幸いです。