オーストラリアで休学留学!費用・準備方法・メリットデメリットまとめ

長期休みに行くのか、大学を卒業してから行くのか、はたまた休学して行くのか、海外留学をするタイミングって難しいですよね。「留学に行きたい」という気持ちがあっても、いつ?どんな手順で?と疑問だらけの方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで今回は「休学留学の費用・準備方法・メリットデメリット」についてまとめました。「海外留学したいけど大学はどうしよう?」「休学してまで留学していいのかな?」などと迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

休学留学とは?

休学留学とは、在学中の大学に休学届を出し、大学に籍を置いたまま半年や一年など一定期間海外へ留学することです。

 

留学先の学校は在籍している大学の協定校である必要はなく、留学先の国・学校・プラン・期間を自分の目的や希望に合わせて選択することができる自由度の高い留学であると言えます。

 

大学、語学留学、専門学校、インターンシップなど、自分の興味のある分野を選んで学ぶことができ、在籍大学側の審査や選考などがないため、語学力やタイミングに左右されずに留学に挑戦することができます。

 

なお、国立大学の場合休学中は授業料が免除となる場合が多いですが、私立大学の場合は休学費用がかかります。

 

また、休学期間は在籍期間に含まれないため、必然的に在籍大学の卒業は遅れます

認定留学との違いは?

認定留学は、在籍している大学と提携している海外の大学や姉妹校に留学し、そこで取得した単位を日本の大学に移行するという制度です。

 

留学中も大学に在籍している扱いとなるため、休学せずに留学することができ、留学先での単位が認められれば通常通り4年間で大学を卒業することができます

 

認定留学として留学するには事前に在籍する大学の承認を得ていることが必須となり、移行できる単位の科目や数も日本側の大学が決定します。

 

海外の大学に留学生として入学するためには希望校に出願して入学許可を取得する必要がありますが、「TOEFL 80~100やIELTS 6.0~6.5以上の英語力があること」「成績が優秀であること」などの条件が課されます。

 

また、単位移行の条件としても「学位授与権のある大学で科目履修をして取得した単位であること」「日本の大学の専攻に関連のあるコースであること」「上限は30単位まで」といった縛りがありますので、留学を希望する海外の大学に出願をする前に、現在在籍している日本の大学に細かい条件などを確認する必要があります。

 

つまり、休学留学は大学を休学して自分で選んだ学校へ海外留学し、認定留学は日本の大学に在籍しながら認定された学校に留学するため、「海外で取得した単位が日本の大学の単位に移行できるか否か」が最も大きな違いとなります。

 

休学留学、単位認定留学ともに大学付属の語学学校に行かれる方が多いです。実際にどのような学校があるかは以下をご覧ください。

大学付属語学学校一覧

交換留学との違いは?

交換留学も認定留学と同様に、留学先は大学との提携学校に限定されます。さらに大きな違いとしては相手の学校からも留学生がきて、文字通り留学生の交換となることです。

 

多くの場合は両校が交換留学の歴史を重ねてきており、交換留学生として選ばれるのは簡単なことではありません。

 

授業料が免除されたり優遇される部分も多いぶん大学側からの期待も高いため、審査に通ったごくわずかな学生しか留学できないというのが特徴となります。

休学留学の6つのメリット

①自分の好きな留学プランを立てることができる

交換留学や認定留学の場合は、留学先の学校は大学の協定校であったり、現在大学で学んでいる分野の専攻しか認められなかったりと、留学先や学ぶ分野が限定されます。

 

一方、休学留学の場合は今通っている大学は休学となるため、大学と留学は全く関係のないものになります。そのため、留学先として選ぶ学校、学ぶ分野、期間、内容などは全て自分の希望に合わせて決めることができるのが最大のメリットでしょう。

 

学校に留学するだけでなく、ワーキングホリデーをしたりボランティアをする人もいます。

②長期滞在なので語学力が身に付く

大学の春休みや夏休みを利用して短期留学する学生も少なくありませんが、数ヵ月の滞在だとやっと生活に慣れてきた頃に帰国というパターンがほとんどです。

 

もちろん短期間の滞在であっても経験したことや勉強したことは人生において素晴らしい財産となりますが、せっかく行くからには長期滞在してしっかり腰を据えることも、語学や文化をより深く学ぶためには必要なことです。

 

半年~1年くらいの期間が平均の休学留学であれば、きちんと語学力を身に着けることができるでしょう。

③社会人留学より休学留学の方がリスクが低い

社会人になってからの留学は、会社で培ってきたキャリアを一度リセットすることになります。また、休職や退職の手続き、更には担当していた業務を後任へ引継ぎをしながら留学の準備をしていくのは、時間的にも体力的にもとても大変です。

 

もし大学在学中の留学であれば、たくさんの事務手続きや業務の引継ぎ、今までのキャリアや帰国後の再就職など気にすることなく長期留学することができます

④帰国後も大学生という肩書を持ち続けることができる

大学や仕事を辞めて留学をした場合、帰国した後に残るのはフリーターやニートという肩書です。日本の社会において肩書が果たす役割というのは想像以上に大きなもの。

 

「正社員で働いているのが理想」「フリーターは何も考えていない」「有名大学を出るべき」といった価値観は視野が狭く時代遅れであるとは思いますが、日本にはまだまだそういった考えを持った人が多いのが現状です。

 

そのため、“大学生である”というのはそれだけで武器になることも多いのです。明確なビジョンやプランがない場合は、先を考えずに大学を辞めるよりも、ひとまず休学という形を取った方が無難かもしれません。

⑤新卒ブランドを無駄にすることなく、スキルや経験値を磨いてから就活に臨める

大学生という肩書と同様で、日本で就職を考えているのであれば、新卒採用枠はとても大きいです。新卒採用しかしていない会社もあるなど、新卒であることは非常に大きな強みとなるのです。

 

卒業後の留学になると、人生に一度の大きなチャンスである、新卒の時期を逃すことになります。そのため、同級生から卒業のタイミングは遅れようとも、新卒として卒業できることは就職活動において有利になるポイントです。

 

休学留学であれば、新卒採用の時期を逃すことなく、更には生きた英語力や海外での経験を就活でアピールすることができます。

 

また、履歴書や面接で留学のエピソードをアピールできるため、留学したこと自体も就職活動にはプラスに働くことも少なくありません。

⑥単位移行が認められることもある

基本的に休学留学の場合は海外で取得した単位は日本の大学に移行することはできませんが、学校によっては一部単位移行が認められることもあります。留学前に、自身が通う日本の大学に確認してみた方がいいでしょう。

休学留学の4つのデメリット

①金銭面の負担が大きい

授業料の一部を支払う必要がある学校、在籍費を請求される学校など、学校によって金額は様々ですが、私立大学の場合は大学を休学するには休学費がかかります

 

また、それとは別に留学費も全て自己負担となるため、金銭的な負担は少なくありません。ただ、オーストラリアでは学生ビザでも週20時間以内であれば働くことができるため、現地でアルバイトをするなどして生活費に充てるというのもひとつの方法でしょう。 オーストラリア留学の費用や給与相場については以下でまとめておりますのでご覧ください。

オーストラリア留学の費用と給与相場

②卒業が遅れる

大学を休学して留学に行くので、その間は単位を一切取得できません。3年生までに単位を全て取得していて大学4年生の1年間で留学に行くといった場合などを除いては、基本的には大学を卒業する時期は同級生に比べて遅れる可能性が高くなります。

 

就活のスタートや社会人になるタイミングがまわりより遅れることで、焦りや疎外感を感じたりすることもあります。

③留学手続きは全て自分で行う必要がある

交換留学や認定留学であれば大学側が留学の手配をしてくれることが多いですが、休学留学の場合は全て自分で行わなければなりません。

 

行きたい国・学びたいこと・自分の希望に合う学校・滞在先など全てを自分の判断で決め、必要となる手続きを調べ、漏れのないように手続きを済ませる必要があります。

 

海外経験が少なかったり英語が得意でない人は苦戦する可能性もありますので、留学エージェントなどのプロに相談しながら進めるといいでしょう。

 

留学エージェントの選び方については以下をご覧ください。

評判の良い留学エージェントの7つの選び方と【12社比較】

④日本人留学生が多い

休学留学に限ったことではありませんが、オーストラリアは留学先として人気の国なので、日本人留学生の数も多いです。同じ国の留学生がいることは、心強い一方で自分自身をストイックに英語環境に身を置くためには障害となることもあります。

 

ついつい同じ国の留学生同士で固まってしまうというのはどこの留学先でもよく見られる光景です。限られた期間の中で出来る限り自分を追い込みたいという人は、なるべく日本人の少ない地域や学校を選んだ方がいいでしょう。

 

各学校の日本人比率は弊社内にデータベースがございますので、ぜひお問い合わせください。

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休学留学の4つのプラン

現地での留学プランは大きく分けて4つあります。自身の英語力や目的に合わせて、無理のないコースを選択しましょう。

①語学学校に通う

「とにかく英語を勉強したい!」という人は語学学校で英語を学ぶのが1番です。名前の通り語学を学ぶ学校なので、初心者レベルであっても集中して語学学習に打ち込むことができます。

 

大学のキャンパス内にある学校や大学の付属の学校であると、大学内の施設を利用できることもあります。

②語学学校に通う+大学で単位取得

現地の学生と同じように講義を受講して内容を理解するのはなかなかのハードルの高さです。授業についていく自信がない人は、最初は語学留学で英語力をあげてから大学の講義で単位取得を目指すという方法があります。

 

留学期間のなかで、語学学校と大学講義の比率をどれくらいの配分にするかは自分の実力と相談して決めましょう。

 

語学学校とのパッケージを提供している大学もありますのでうまく活用しましょう。

③大学で単位取得

英語力に自信のある人や時間に制約がある人は、最初から大学の講義に参加するコースがあります。

 

レベル的に最初はついていくのが大変だったとしても、予習復習を欠かさずにコツコツ努力していけば少しずつ先生の言っていることも理解できるようになるはずです。

 

教科や内容によって頻出する単語などを事前に日本にいるときから勉強しておくとスムーズに進めることができるでしょう。

④インターンシップやボランティア

語学や大学での勉強ではなく、現地でインターンシップやアルバイト、ボランティアをするというプランもあります。

 

休学留学は「これをするべき」という決まりのないものなので、自分の希望や目的に合わせて現地での時間を過ごすことができます。

 

ただし、学生ビザの方はアルバイトなどの報酬を得る仕事をする場合は、週20時間までという制限があります。学生ビザで週20時間以上労働したことが発覚するとビザが無効化されますので注意しましょう。

休学留学で意識すべきこととは?

休学留学で最も重要なのが“しっかりとした目的を持つこと”です。学校を休学して海外に留学に行くという決断をしたからには、その限りある時間を1秒も無駄にはできません。

 

明確な目標や目的がないまま時間を過ごしていると、「何も得ないまま気が付いたら日本への帰国が迫っていた…!」なんていうことにもなりかねません。

 

「なぜ留学に行きたいのか?」「なぜ今なのか?」「学校を休学してまで行く意味は?」「どんな風になりたいのか?」「留学を終えたときに達成していたい目標は?」など、留学に行く意味と想いをきちんと自分のなかではっきり明確にさせたうえで渡航するようにしましょう。

 

自分の中での目標がはっきりとしていれば、それに向けて自分がどう行動すべきかも自ずと見えてきます

就活で評価されるためには?

前述したように、休学留学をすると同級生よりも就活を始める時期や卒業の時期が遅れます。就職面接の際に、企業側からその遅れを指摘される可能性も少なくありません。「なぜ留学したの?」「留学でなにを得たの?」と詳しく突っ込まれることも。

 

社会人のなかには「留学=娯楽」というイメージを持つ人もいるため、留学で得たものを就職したあとにも生かせる強みとしてアピールする必要があります。

 

語学力はもちろんのこと、留学先で困難に立ち向かった経験や、目に見える資格など、「この人はきちんと努力ができる人なんだ」「立てた目標は達成する力がある人なんだ」というポジティブの印象を持ってもらえるように話せるエピソードは持っておきましょう。

 

「特に何も得てない…」と思う人でも、留学前と留学後では何かしら自分の中で変化があるはずです。その自分で成長したと思う部分をきちんと言葉にして伝えられると、就活の際に評価してもらえるポイントとなります。

 

休学留学でオーストラリアの専門学校(TAFE)で資格を取得することは就活での大きなアピールになります。半年で取得できる資格もあり休学留学にぴったりです。専門学校(TAFE)については以下をご覧ください。

オーストラリアの専門学校(TAFE)まとめ

休学留学の流れ 準備を始める時期について

もし休学留学をされるのなら2年生3年生の時期がおすすめです。4年生の年の留学となると、帰国後すぐに就職活動をしなければいけません。時間に余裕のある時期に留学に行かれるのが良いでしょう。

4月(前期)から留学に行くとしたら…

前年の10月頃 準備開始

まずは、留学先の都市・学校や通う期間・どんな風に過ごすのかなど、留学プランを立てましょう。同時に、大学に休学の書類や手続きの方法などの情報も集め始めましょう。単位認定や認定校についても通っている大学学校によって異なるので事前に学校に確認しておきましょう。

11~12月頃 学校・滞在先の申込手続き

学校によっては受講人数が決まっているコースや、滞在先には部屋の空きやベッドの数には限りがあります。特に人気のコースや学校となると、定員が埋まってしまうこともあるので、学校が決まったら早めに手続きを進めましょう。

 

学生ビザの場合、申請が学校の申し込みが済んでからになりますので、学生ビザの方は特に早めに進められた方が良いでしょう。

12~1月頃 ビザ申請

学生ビザは入国日の4ヶ月前から申請が可能です。申請後にオーストラリア移民局より追加の書類提出などを求められる場合がありますので、余裕を持って申請をしましょう。

2月頃 航空券の購入・保険の加入・持ち物の準備

出発日の近い航空券は高くなります。また、シーズンによっては空きが埋まってしまうこともありますので、この時期には航空券を購入しておくと良いでしょう。

 

海外旅行保険の加入もこの時点で済ませておくと、保険会社との申し込のやりとりにも時間がかかるのでこの時期には手続きをおすすめします。

9月(前期)から留学に行くとしたら…

3月 準備開始

まずは、留学先の都市・学校や通う期間・どんな風に過ごすのかなど、留学プランを立てましょう。同時に、大学に休学の書類や手続きの方法などの情報も集め始めましょう。単位認定や認定校についても通っている大学学校によって異なるので事前に学校に確認しておきましょう。

4~5月頃 学校・滞在先の申込手続き

学校によっては受講人数が決まっているコースや、滞在先には部屋の空きやベッドの数には限りがあります。特に人気のコースや学校となると、定員が埋まってしまうこともあるので、学校が決まったら早めに手続きを進めましょう。

 

学生ビザの場合、申請が学校の申し込みが済んでからになりますので、学生ビザの方は特に早めに進められた方が良いでしょう。

5~6月頃 ビザ申請

学生ビザは入国日の4ヶ月前から申請が可能です。申請後にオーストラリア移民局より追加の書類提出などを求められる場合がありますので、余裕を持って申請をしましょう。

7月頃 航空券の購入・保険の加入・持ち物の準備

出発日の近い航空券は高くなります。また、シーズンによっては空きが埋まってしまうこともありますので、この時期には航空券を購入しておくと良いでしょう。

 

海外旅行保険の加入もこの時点で済ませておくと、保険会社との申し込のやりとりにも時間がかかるのでこの時期には手続きをおすすめします。

ビザ別 留学の費用について

学生ビザ6ヶ月の場合

ビザ申請料1,600ドル(約16万円)
6ヶ月分の授業料約3,840ドル(約31万円)
入学金+教材費約440ドル(約4万円)
6ヶ月分の滞在費約5,000ドル(約40万円)
合計費用約81万円

ただし、オーストラリアなら、20時間/週のアルバイトが可能なので、滞在費や遊びの出費を補えます。

学生ビザ1年間の場合

ビザ申請料1,600ドル(約16万円)
1年分の授業料約7,680ドル(約61万円)
入学金+教材費約680ドル(約6万円)
1年分の滞在費約10,000ドル(約80万円)
合計費用約153万円

ワーキングホリデービザ6ヶ月の場合

ビザ申請料634ドル(約6万円)
4ヶ月分の授業料約2,720ドル(約22万円)
入学金+教材費約220ドル(約2万円)
6ヶ月分の滞在費約5,000ドル(約40万円)
合計費用約68万円

ただし、ワーキングホリデーならフルタイムの就労が可能なので、滞在費をまかなえて、更には貯金できる人もいます。

ワーキングホリデービザ1年の場合

ビザ申請料635ドル(約6万円)
4ヶ月分の授業料約2,720ドル(約22万円)
入学金+教材費約220ドル(約2万円)
1年分の滞在費約10,000ドル(約80万円)
合計費用約108万円

まとめ

氷河期に比べると大学生の就職率はかなり回復しているものの、やはり就職において新卒ブランドはかなり大きな武器であるため、大学を休学して留学するという選択をする人が増えています。

 

しかし休学留学にはメリットもデメリットもあるので、「何が大切か?」「何をしたいのか?」によって選ぶべき道は変わってきます。

 

海外留学というのは一生に何度もできる経験ではないので、よく考えたうえで自分にとってベストで後悔のない選択をしてください。

呑村紗也佳

私にとって海外留学は、「それまで持っていた常識や当たり前を180度覆し、価値観がぐんと広がった」そんな経験でした。もともと留学や海外に興味はなかったですが、両親が留学を勧めてくれたのをきっかけにオーストラリア・カナダ・アメリカで計4年ほど海外生活を送りました。

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