オーストラリアのSIMカードプラン徹底解説!SIMはこうやって選ぼう。

前置き

 

2018年6月に総務省が発表したデータによると、2017年度末の日本の携帯電話契約件数は、1億7009万件。日本の総人口は約1億2000万人なので、1人2台持ちの人も多数いる計算になります。

 

現代人にとって携帯、スマートフォンは今や財布と同じくらい生活に必要不可欠なモノ。特に海外生活をするとなれば、家族や友人と繋がるためになおさら大切なツールです。

 

海外にいて、日本と同じようにスマホを利用するのには「SIM」の差し替えが必要です。今回はオーストラリアのSIMについて、まとめたいと思います。

SIMカードとは?

 

「SIMカード」という言葉を聞いたことはありますか。日本では、海外在住の日本人が一時帰国する時や、旅行や留学で来日した外国人が主な利用者ですが、月々の携帯料金が安くなるとあって、最近では大手携帯キャリアのプランから乗り換える日本人の利用者も増えています。

 

さまざまなメーカーからプリペイドや月額制プランで販売されており、電気量販店に行けば購入・契約可能な物です。

 

SIMカード自体は知っていても、どういう物なのかよくわかっていない人も意外と多いので簡単に説明すると、「電波を受信するためのカード」です。スマホの中には1cm角くらいの小さなカードが入っているのですが、そのカードが電波を受信して、携帯電話として機能しているのです。

 

日本在住の多くの人が携帯をSoftbankやDoCoMo、auで購入し、本体を分割払いしながら、そのメーカーのプランで契約していると思います。

 

いわゆる”普通”に携帯を購入すると、受け取った時にはSIMが入った状態になっており、買い替えをする時も同様、SIMが入った状態なので、SIMカードを見ることも無ければ「SIMカードを選ぶ」こともありません。

 

SIMカードのことがよくわからない人が多くいるのはこういった理由からなので、仕方ないことですが、特に長期で海外に滞在する人にとっては必要な知識ですので、ぜひこの記事から理解を深めていただければと思います。

SIMカードを差し替えないとどうなる?

 

日本で使っているSIMカードは、日本の通信会社の電波を受信する物なので、そのままにしていてもオーストラリアで自由に携帯を使うことはできません

 

とは言え、Wi-Fiが通じているエリアであれば使用可能なので、空港やお店、家であればWi-Fiで使うことが可能です。しかし、出先で調べたいことがあった時、誰かとの待ち合わせで連絡したい時などに使えないと不便ですよね。

 

慣れない海外だと情報や連絡手段は特に重要なので、現地のSIMカードを購入していつでも携帯が使用できる状態にしておくことをおすすめします。

 

実は、Softbankなどの大手携帯キャリアは海外でも通信できる海外ローミングのプランを持っています。そのプランに加入すると、SIMカードを差し替えなくても各社が提携している現地の通信会社の電波を受信し、利用できるようになるという仕組みです。

 

その方が楽で良い、と思われるかもしれませんが、パケット定額プランは1日2,000~3,000円と非常に高額

 

これからご紹介する現地のSIMカードを使えば、1か月3,000円程度で利用できるので、長期滞在になればなるほど現地のSIMカードを利用した方がお得です。

 

SIMカードの差し替えができないスマホもある

 

元々日本で販売されていたスマホには「SIMロック」がかかっていて、スマホを購入した会社(例Softbank)のSIMしか使えないような制限がかかっていました。紛失、盗難された時に個人情報が流出するのを防ぐ意味合いがあってのことですが、実際のところは他社に乗り換えしないための仕組みです。

 

2015年に総務省がSIMロック解除を義務化したことにより、現在のスマホはSIMロックの解除が可能になっています。購入時はSIMロックがかかった状態になっていますが、スマホやパソコンから自分で解除することが可能です(無料)。

 

やり方がわからない場合はショップに持って行けば、3,000円の手数料で対応してもらえます。ちなみに、iPhone6とiPhone6 PlusはSIMロック解除の対象外なので、ショップに持って行っても対応してもらえません。解除方法がいくつかネットで紹介されていますが、正式に案内されているやり方ではないのでトライする場合はその後どうなっても自己責任。

 

iPhone6を使っているという人も、SIMフリー(SIMロックがかかっていない)の端末はいくらでも販売されていますし、選ばなければ安く購入できます。また、iPhone6もWi-Fi環境では使えるので、新しく購入したSIMフリーの端末とiPhone6と2台持ちしている人も多々見かけます。

日本でSIMを受け取りたいならNittel

オーストラリアの携帯会社ニッテルなら送料無料で日本にSIMを送付してもらえます。Web申し込み後、2~3営業日で携帯電話番号が発行されますので、出発前に番号を確認することができて便利です。

 

不明点があればLINEや日本専用ダイアルでサポートしてもらえるため携帯電話に詳しくない方でも安心です。

Nittel Communications公式サイト(日本語)

オーストラリアのSIMカード

 

 

オーストラリアには以下3つの大手携帯キャリアが存在しています。日本で言うところのSoftbank、DoCoMo、auというイメージで問題ありません。ここでは、大手3社とマイナー2社のプリペイド(月ごとにチャージするタイプ)のSIMのプラン内容についてご紹介します。

 

大手3社のSIMカードプラン

OPTUS(オプタス)

 

プラン①:28日間利用※1で$30(3GB)、$5 extra credit※2

 

プラン②:28日間利用で$40(7GB)、$10 extra credit

 

プラン③:28日間利用で$50(10GB)、$15 extra credit

 

ワーホリや留学性の間でもっとも人気と言われているのがOPTUSです。オーストラリア国内シェアは2位。

 

※1:日本だと1か月間の契約というと、1月1日~1月31日だったり、1月15日~2月15日のような考え方が一般的ですが、オーストラリアでは4週間(28日間)で1か月とすることがよくあります。携帯に限らず、家賃も1週間いくらという計算をしていることがほとんど。

 

※2:extra creditとは、付与された金額分、国際電話など別料金が発生するものに充填できるものです。

Telstra(テルストラ)

 

プラン①:28日間利用で$30(2.5GB)、$5 extra credit

 

プラン②:28日間利用で$40(5GB)、$10 extra credit

 

プラン③:28日間利用で$50(7.5GB)、$15 extra credit

 

プラン④:28日間利用で$60(10GB)、$20 extra credit

 

オーストラリア国内シェア第1位がTelstraです。もともと国営で始まった会社で、電波がもっとも良好と言われています。ワーホリや留学性の利用者が多いプラン①のギガ数が微妙に少なく、その層はOPTUSが囲っているようです。

 

※TelstraもOPTUS同様、extra creditの付与があります。extra creditは次月繰り越しされませんのでご注意ください。

Vodafone(ボーダフォン)

 

プラン①:28日間利用で$30(3GB)

 

プラン②:35日間利用で$40(9GB)

 

プラン③:35日間利用で$50(12GB)

 

少し懐かしい話ですが、ソフトバンクグループに買収されるまでは、日本にもVodafoneがありましたね。シェア3位ですが、なぜかワーホリや留学生の利用者は少ないようです。プラン②を使うのであれば上位2社と比べてかなりお得です。

 

extra creditはありませんが、実際extra creditを使う機会はあまりないので、そこまでプラス材料として比較する必要はないかと思います。

 

上記3社すべてのキャリアとプランに共通しているのが、契約期間中は国内通話(オーストラリア内)と国内の携帯へのSMS(ショートメッセージ)が無制限に無料で利用可能です。国際電話は別途料金が発生します。

 

なお、例えばプラン①で契約して、28日間以内に2GBしか消化しなかったとしても、残りの1GBは次月に繰り越しされません。キャリアのスマホアプリがあるので、それをダウンロードすれば現在までの使用量と残量、残りの日数を簡単に把握できます。

 

契約期間が終われば、アプリから更新(クレジット決済)すれば、すぐにまた使えるようになります。

 

大手だけあって空港や街の至るところで購入できるので、ほとんどの人が上記3社のどれかを使っています。ちなみに、SIMカードの本体は各携帯キャリアのショップで$1~2程度で購入可能です。お店の人に頼めば、その場で今のSIMと入れ替えてもらえます。

 

入っていたSIMカードは日本に戻った時に利用するかもしれないので、無くさずに持っておきましょう。ショップでSIMカードを購入する時、SIMカードに個人情報を登録する必要がありますので、身分証明書が必要です。パスポートを忘れずに持って行くようにしましょう。

 

ショップが空いていれば10分程度で終わる手続きです。また、SIMカードを差し替えても登録しているアプリや写真等のデータは消えないので安心してください。(そういった情報はスマホ本体に保存されています)

 

SIMカードを差し替えることで変わるのは「電話番号」です。今の時代、LINEやSkypeで電話できてしまうので、あまり電話番号から通話することがないかもしれませんが、参考までに。

中堅2社のSIMカードプラン

Amaysim(アメイシム)

 

プラン①:28日間利用で$10(1GB)

 

プラン②:28日間利用で$20(2.5GB)

 

プラン③:28日間利用で$30(5GB)、日本への国際電話無料

 

プラン④:28日間利用で$40(15GB)、日本への国際電話無料

 

プラン⑤:28日間利用で$50(20GB)、日本への国際電話無料

 

Amaysimの大きな特徴は、プラン③以上で契約すると「日本への国際電話が無料」でできる点です。$30で5GB+国際電話無料(28日間)はかなりの太っ腹。

 

親もスマホでLINEやSkypeを使っている人は通話含め、近況報告なんかに困ることはありませんが、中にはガラケーのままという人も多くいます。そんな人にとって、Amaysimのプランは非常に魅力的なものではないでしょうか。

yomojo(ヨモジョ)

 

プラン①:30日間利用で$16(2GB)

 

プラン②:30日間利用で$30(4GB)

 

プラン③:30日間利用で$35(10GB)

 

どちらもOPTUSの通信回線を使用しているので、通信速度に問題はありません。オーストラリア国内通話、SMSが無制限で無料という点は大手3社と同じです。

 

ご覧いただいてわかるように、安いですし、Amaysimはプランが豊富なのでほとんどWi-Fi環境で利用するという人には、かなりお得に利用できます。 しかし、上記2社は実店舗がないので、現地に行ってからでは存在自体なかなか気付くことがありません。

 

こういったところで情報収集、事前準備しているかが差になります。デメリットがあるとすると、ネットからSIMカードを購入しなければいけないので、届くまでに少々待ち時間が必要です。

 

どのプランで始めるべき?

NTTデータのアンケート結果によると、月の利用ギガ数は90%以上の人が3GB以下。(Wi-Fi環境での利用は含んでいないので、本当はもっと高いと思います。)

 

月に3GBというと、データ使用量が大きいYouTubeなどでの動画視聴が1日30分以下が目安のようです。オーストラリアはほとんどの家でWi-Fiが使えますし、学校やカフェなどのお店でも使えることが多いので、Wi-Fi利用を意識していれば月に3GBを超えることは滅多にないでしょう。

 

プリペイドタイプは毎回プラン変更ができますし、とりあえず3GBくらいで始めてみることが良いと思います。身近のWi-Fi環境があまり良くなく、毎月早い段階で3GB消化してしまうようであれば1つ上のプランに変更するというやり方が、無駄がなくおすすめです。

 

プリペイドは最低利用期間のような縛りがありませんし、SIMカード本体が安いので、最初はTelstraを利用していたけど、その後OPTUSに変えるというのも簡単に出来る点が大きなメリットです。

 

余談ですが、日本の携帯電話利用料金の月額平均は6,400円と言われています。ワーホリや留学に行く比較的年齢が若い人たちの中には、月額8,000~1万円、もしくはそれ以上という人も多くいると思います。

 

それに対して、ワーホリや留学生のオーストラリア滞在時に1番ポピュラーなプランの月額は$30(約2,500円)と半分以下。すごく安くなったと感じる人も多くいると思います。

 

オーストラリアは物価が安いの?と思われるかもしれませんが、世界各国の物価を調査した結果によると、日本は21位。オーストラリアは6位とかなり上位。日本も東京都など一部の都市で見れば世界の中でも物価が高い方になりますが、それでもオーストラリアの方が全体的に物価は高いです。

 

日本の携帯料金は先進国の中で比較すると2倍ほどもあり、非常に高い金額設定がされています。ですので、オーストラリアの携帯料金は特別安いものではなく、世界的に見ると普通の額。携帯電話の利用料金以外は基本的に日本での生活に比べてお金がかかると思っていてください。

オーストラリア留学にかかる生活費とオーストラリアの物価

まとめ

 

いかがでしたか。旅行での短期滞在であればWi-Fiエリアのみの利用でも良いかもしれませんが、ワーホリや留学で長期滞在となればいつでも使えるように準備しておくことは必須です。

 

各キャリアのプランは似たり寄ったりなものもありますが、自分の環境やスマホの使い方によって必要なギガ数は異なってくるので、最適なものを選べるように、また、SIMロックの解除やSIMフリーのスマホを準備することもお忘れなく。

 

特にオーストラリアに着いてすぐに働きたい人は、現地の電話番号を持っていることは必須です。日本でSIMカードを買っておけば、飛行機が着いてすぐに携帯電話を使用することができます。この記事を参考に、SIMの準備・検討を進めていただければ幸いです。

永井将馬

オーストラリアのメルボルンにワーキングホリデーで渡航しました。メルボルンでは語学学校で一般英語を学び、市内にあるユニクロでアルバイトを経験。休日には職場のオーストラリア人と出かける事が多く、現地の人の視点でメルボルンの魅力を感じる事ができました。アメリカ留学の経験もありますので、アメリカとオーストラリアの違いもお話できます。

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